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詐欺、強盗、空き巣などの手口が巧妙化、「犯罪者が嫌がる4原則」を知って防犯対策をアップデートしよう。

「こんなときはどうすれば?」と思うケースごとに、基本と思わぬ注意点を防犯アドバイザーの京師美佳さんに聞きました。

イラストレーション・本田しずまる 文・小沢緑子 構成・中條裕子

手口が巧妙化。犯罪者が嫌がる4原則を知ろう。

「日本は治安がよい国といわれますが、年々、詐欺・強盗・空き巣なども巧妙化しています。犯罪者の手口をニュースなどで得たら、防犯対策も強化していくことが必要です」と、防犯アドバイザーの京師美佳さん。

防犯対策の基本で知っておきたいのが「犯罪者が嫌がる4原則」で、(1)アラームなど大きな音が鳴るもので威嚇、(2)人感センサーライトの光で明るく照らす、(3)侵入するのに時間をかけさせる、(4)人の目があると思わせること。

「これらを意識して対策をとることで、“防犯意識が高い家”だとアピールできます。泥棒や不審者を遠ざけて家を安心安全に守るための基本です」

マンションの最上階に住んでいますが、ベランダの窓を壊されてしまい、そこから泥棒に入られました!【最上階は安心だと思っていたのに】 ショックで。

「空き巣の主な侵入口は窓です。最上階なら安心と油断しがちですが、泥棒は屋上から避難はしごやロープなどを使ってベランダに降りて侵入するので、上階も狙われやすいです」(京師さん)。

対策は、まず犯罪者が嫌がる4原則のうち、侵入時に時間がかかるように窓の内側に補助錠をつける。

「さらに、威嚇のため、窓ガラスを割られるなどの衝撃にセンサーが反応して大きな音が鳴る窓用防犯アラームを取り付ける。窓や玄関など目につく場所に“防犯カメラ作動中”などの防犯ステッカーを貼って、防犯意識の高さをアピールするのも効果的。今は泥棒も多国籍化しているので、日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語で印刷された防犯ステッカーもあります」

〈家のアップデートポイント〉
上階も狙われる。補助錠、アラームで防犯を強化。

詐欺、強盗、空き巣などの手口が巧妙化、「犯罪者が嫌がる4原則」を知って防犯対策をアップデートしよう。

オートロックのマンションなので、ゴミ捨て時にドアの鍵をかけないことも……。 【オートロックも簡単に突破できる】 と聞きましたが、何か対策をしたほうがよいですか?

オートロック付きの建物も過信をしないこと。

「オートロックの隙間から紙などを挟み込んで開錠する手口もありますし、住人が暗証番号で開錠しているのを盗み見したり、開錠されたら訪問者の後をつけて一緒に中に入る“共連れ”もあります。ゴミ出しでたった5分だからと玄関の鍵をかけずにいると、そのわずかな隙をつかれて盗難に遭うことも」。

また、空き巣の件数は夕方から夜中が一番多いというが、「午前8時から10時の朝の忙しい時間帯も要注意です。朝は出がけの身支度や子どもの見送りなどに気を取られて施錠し忘れ、玄関先に置いていたバッグから財布を抜かれたり、ペットを誘拐されたケースも。油断せず、必ずドアに鍵をかけましょう」

〈家のアップデートポイント〉
オートロック付き建物でも玄関の鍵は必ずかけよう。

詐欺、強盗、空き巣などの手口が巧妙化、「犯罪者が嫌がる4原則」を知って防犯対策をアップデートしよう。

不審な来訪者や空き巣を防ぐために、宅配は置き配にしています。 【郵便受けの中も用心したほうがいい 】と聞きましたが、本当ですか?

「個人情報が書かれた郵便物が毎日配達される郵便受けは、犯罪者にとって宝物の山。誰でも簡単に近づけますし、覗き見されたり、配達物自体を盗られて、送り主の名前や住所を悪用されることも」。

たとえば、宅配便が届いて送り主を尋ねたら、知人の名前を告げられたので信用してドアを開けたら強盗だった、というケースもあるという。

「鍵付きの郵便受けでなければ、南京錠でもいいので後づけして必ず鍵をかけましょう」。

さらに、郵便物を捨てるときは、個人情報の部分はシュレッダーにかけて。

「100均でもシュレッダーはさみが手に入るのでそれで切ってから、さらに念入りに水に濡らしてふやかせば、盗み見しようとしても復元できないので安心です」

〈家のアップデートポイント〉
個人情報を盗まれないように郵便受けは鍵をかける。

詐欺、強盗、空き巣などの手口が巧妙化、「犯罪者が嫌がる4原則」を知って防犯対策をアップデートしよう。

普段から外出が多く、 【旅行や帰省で長く留守に】 することも。最近、知人が空き巣に入られたと聞いて心配になってきました。戸建ての場合、どんな対策を?

「一軒家で狙われやすいのは、呼び鈴のみの家。不在でも来訪者を自動録画するカメラ付きインターホンは必須です」。

併せて前出の防犯ステッカー、人感センサーライトをつけるのも効果的。

「玄関の鍵を10年以上替えていなければ、ピッキングに加え、バンピングといった不正解錠にも対応したディンプルキーなどの最新式に交換を。あるいは今は二重ロックが標準ですが、1つをスマホで施錠開錠できるスマートロックに替えるのもいい方法」

〈家のアップデートポイント〉
不在時も来訪者を自動録画するインターホンは必須。

 【庭木が鬱蒼としているのは防犯上危ない 】、と隣人に指摘されました。外からの目隠しのつもりでしたが、防犯対策になっていない!?

「泥棒にとって庭木が鬱蒼としている=管理されていなく侵入しても気づかれにくい家、と映りがち。さらに高い木や茂みがあれば侵入時の絶好の隠れ場所に。庭木は手入れをして見通しをよくしましょう」。

防犯性をさらに高めるなら、屋外用防犯カメラを設置。

「泥棒が嫌がる“人の目”の代わりになります。最近はスピーカーやマイクを搭載した機器があり、それを使えば不審者がカメラに写ったら『通報するぞ』と警告することもできます」

〈家のアップデートポイント〉
庭木の手入れ=管理されていて侵入しづらいと映る。

  • 京師美佳

    京師美佳 さん (きょうし・みか)

    防犯アドバイザー

    セキュリティ企業を経て独立。TVや新聞などメディアの出演や講演会を通し防犯の啓発を行う。監修本『60歳から絶対やるべき防犯の基本』も。

『クロワッサン』1124号より

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