家でも作れる、日本各地の漁師飯5選【ダンノマリコさんのレシピ】
撮影・横山新一 料理製作・ダンノマリコ 文・小林百合子
青森県(津軽)|イカメンチ
ふわふわ&コリコリのW食感。余ったイカを賢く活用しても。
イカの産地である青森県津軽地方ではイカを刺身にした時に余るゲソなどを有効活用する料理がある。イカをちょっと歯応えが残る程度に叩き、野菜と一緒に小麦粉でまとめて揚げたイカメンチは、大人も子どもも大好物!
【材料(6~8個分)】
イカ(生食用/下処理済み)150g
にんじん 10g
玉ねぎ 40g
キャベツ 60g
A[卵 1/2個分、塩・こしょう 各少々、醤油 小さじ1、砂糖 小さじ1、小麦粉 大さじ2、片栗粉 大さじ1]
揚げ油 適量
レモン 適宜
【作り方】
1.にんじん、玉ねぎは粗みじん切りに、キャベツは5mm程度のざく切りにしてボウルに合わせる。
2.イカは包丁で1cm幅に切ってから粘りが出るまで包丁で叩く。
3.1に2とAを合わせて混ぜる。まとまらない場合は小麦粉(分量外)を足す。
4.フライパンに油を熱し、2本のスプーンを使って生地を油に落とし、両面がこんがりとするまで揚げる。器に盛り、好みでくし形切りのレモンを添える。
静岡県(御前崎)|ガワ
食欲が落ちる夏でもサラサラと。カツオが主役の冷たい味噌汁。
全国有数のカツオ漁獲高を誇る静岡県の夏の漁師飯が、生のカツオを冷や汁風にした料理。味噌を溶く際、氷同士がぶつかって「ガワガワ」と音がすることが名の由来だそう。そのままでも、ご飯にかけてもおいしい。
【材料(2人分)】
カツオ(刺身用)100g
味噌 大さじ2
梅肉(梅干し中サイズ)1粒分
冷水 150ml
氷 100g
きゅうり 1/2本
玉ねぎ 40g
しょうが・みょうが 各適量
大葉(せん切り)・梅肉 各適宜
【作り方】
1.きゅうりは小口切りに、玉ねぎは薄切りにする。しょうがとみょうがはせん切りにする。
2.カツオは包丁で叩く。梅肉と味噌を合わせてさらに叩いて味をなじませる。
3.ボウルに1と2、冷水、氷を入れて味がなじむように混ぜる。
4.椀に盛り、好みで大葉と梅肉をのせる。汁気が足りない時や味が濃いと感じた場合は水少々を足す。
北海道|サーモンの切り込み
刺身を日持ちさせる先人の知恵。北海道に伝わる発酵アイデア。
切り込みとは鮮魚を塩と麹に漬けて熟成させた発酵食品。北海道で多く獲れるニシンを長期保存するために生まれた料理といわれている。サーモンやヒラメなど身近な鮮魚でも作れ、ねっとりした食感がクセになる。
【材料(作りやすい分量)】
サーモン(刺身用)100g
塩麹 50g
輪切り唐辛子 ひとつまみ
【作り方】
1.ビニール袋にサーモン、塩麹、唐辛子を入れてしっかりと口を縛る。保存容器に入れて冷蔵庫で保存する。
2.1日1回、袋の上から数回もみ、塩麹をなじませる。漬けたその日から食べられるが、食べ頃は1週間後。冷蔵保存をして10日間をめどに食べ切る。
大分県|りゅうきゅう丼
タレに漬けるとうまみアップ。幅広い鮮魚で作れる九州の漬け。
年間通して様々な魚が獲れる大分県。鮮魚を醤油、酒、みりん、ごま、しょうがなどで作るタレに浸しておく独自の漬け料理は保存食でもあったそう。余った刺身を有効活用するのもいい。お茶漬けにするのもおすすめ。
【材料(2人分)】
アジの刺身 2尾分
A[醤油・酒・砂糖・白すりごま 各大さじ1]
青ねぎ(小口切り)・しょうが(千切り)・白すりごま各 適量
ご飯丼 2杯分
【作り方】
1.ボウルにAを混ぜ合わせ、アジを漬けて冷蔵庫で30分~半日置く。
2.丼にご飯を盛り、1を漬け汁ごとかける。青ねぎ、しょうが、白すりごまをかける。
熊本県(天草)|ぶたあえ
豚肉がないのに「ぶたあえ」!?ユニークなタコと野菜の炒め物。
良質なタコが獲れる熊本県天草地方では、豚肉の代わりにタコを使った味噌炒め料理が愛されている。ポイントは甘さのある麦味噌を使うこと。野菜はナスのほか、ピーマンなど夏野菜を加えてアレンジしてもOK。
【材料(2~3人分)】
タコ(ボイル)80g
なす 2本
油 大さじ1
A[麦味噌 大さじ2、みりん 大さじ1、砂糖 大さじ1/2、おろししょうが 小さじ1/2]
【作り方】
1.タコは一口大に、なすは縦半分にしてから斜めに1cm厚さに切る。
2.フライパンに油を熱し、なすに火が通るまで炒める。
3.2にタコを加えて炒めたらAを入れ、味がなじむ程度に混ぜて火を止める。
『クロワッサン』1119号より