「HRTとエクオールと運動でいい状態をキープ」、フリーアナウンサー・勝恵子さんの更年期との付き合い方。
撮影・森山祐子 ヘア&メイク・レイナ 文・越川典子
“快適に生きていきたいから、選択肢をたくさん持っていたい。”【勝 恵子さん 56歳】
「女性は、もっと快適に生きていいと思う」と話すのは、勝恵子さん。
39歳で出産。ホルモンの変調で、産後うつになったことを機に、報道の現場でガムシャラに働いてきた自分に気づかされた勝さん。同時に、働く女性、働く母親の置かれている状況にも自然と目が向いていった。
「がんばること、苦労することをよしとする文化が日本にはあって、誰もが我慢をしている。女性の場合はとくに、カラダの変化が人生に大きな影響を与えてしまうことが多いんです」
インドでの少女の衛生教育プログラムや被災地の女性を支援する「ガールパワー」の活動などに加わり、活躍の幅を広げていったのが40代半ば。
「その頃ですね。体じゅうの関節の痛みに襲われて……。婦人科で診てもらったら、エストロゲン値が下がっていた。体調を整えるために、女性ホルモン様の働きが期待できるエクオールを摂っていましたが、さらにHRT(ホルモン補充療法)を開始したんです」
医療×サプリ×運動でいい状態をキープする。
体調は改善。56歳になる今も、いい状態を維持している。
「体調の波も予測できて、コントロールが容易になったのも、経験を重ねるたびに選択肢が増えてきたおかげです。そうそう、フロアバレエもその一つ」
床に座ったり、横になったりして行うバレエストレッチだ。運動習慣がなかった勝さんにとっては、予想を上回る効果があった。
「腕って、こんなに長かったんだ。ここにも筋肉があったんだ、と(笑)。全身の細胞が動き出すような感覚があって、脳細胞も刺激を受けています」
そんな勝さんも、そろそろ更年期が終わる年齢。いつまでHRTを続けるか、かかりつけ医とディスカッションを重ねているところだという。
「更年期を過ぎても、体は日々変化していくはずですが、賢い選択をして、できるだけ長く、快適な体をキープしたい。人生100年とまでいかなくても、90歳まで生きるなら、先は長い。面白いと感じることには迷わず飛び込む、トライする、そのエネルギーが、これからを生きる推進力になってくれると思うからです」
キャリアコンサルタントの資格も取り、現在、不定期だが「女性の心と身体セミナー」を主宰。仲間たちと学んでいる。
「私の活動のベースは、コミュニケーションです。女性にとって、切っても切れない“キャリアと健康”の両面からサポートするために、どうすれば伝わるか、どう伝えていくか。一人のコミュニケーターとして試行錯誤をしながら、学びと支援を続けていきたいと考えています」
『クロワッサン』1104号より