古川雄大さん「プレッシャーもありますが、素敵な役をいただけました。」【今会いたい男】
歌も踊りも演技も抜群、華やかな二枚目、古川雄大さんのこの秋、ふたつの挑戦。
撮影・小笠原真紀 スタイリング・吉野 誠 ヘア&メイク・佐島麻子 文・木俣 冬
プレッシャーもありますが、素敵な役をいただけました。
朝ドラこと連続テレビ小説『エール』(’20年 NHK)の“ミュージックティーチャー”役で全国区の人気を得た古川雄大さん。それまでも舞台――とくにミュージカルで活躍していた。
「もともと、芸能の世界に興味があって、10代のときダンスをはじめ、そこから歌や演技にも世界が広がりました。そこから俳優に絞りましたが、結果的にいま、好きな歌も踊りもやることができているので、充実しています」
帝国劇場のミュージカルの大役にも抜擢されたことをきっかけに、みるみる知る人ぞ知るスターになった。
「いまでこそ、いろんな方がミュージカルに出ていますが、僕がはじめた10年前くらいはミュージカルといえば音大出身の方々ばかりで。戸惑うことも多く苦労しましたが、出身の違う僕の個性を生かすと同時に、レッスンを積み重ねていくしかないなと思いました」
ミュージカルの世界に新風を吹かせている古川さん。理想は、無念無想。
「いろいろな思考を捨てて、ただただ楽しむことができるような芝居をやりたい。一度、体調が悪いときに、逆に無になれたことがあって。見てくれた人に、今日、すごく良かったよ、と言ってもらえたことがあるんです」
今秋は、帝劇のオリジナルミュージカル『LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』で初単独主演の快挙も。
「ダブルキャストではない単独主演ははじめてなので、不安と期待で堂々巡りのような状態ですが、ひとりでどこまで頑張れるか試してみたい意欲もあります。帝劇は’25年に改装に入るので、限られた貴重な期間に行う作品のひとつを大切に演じたいと思います」
同じころ、もうひとつ大きな仕事が待っている。男女逆転の話題のドラマ『大奥 Season2 幕末編』(NHK)に、最後の大奥総取締・瀧山役で抜擢された。
「人気作だけにプレッシャーもありますが、素敵な役をいただいてありがたいと思いながら撮影をしています。陰間(若衆)時代の女性の扮装もあって。これもはじめての経験です。きれいかどうか自分ではわかりません。演技共々、どんな反響をいただけるか……(笑)」
『クロワッサン』1101号より
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