平野ノラさんのヘアカットストーリー、念願のミディアムボブに。
撮影・タカハシトミユキ スタイリング・青木千加子 ヘア・林カツヨシ(Jill) メイク・水野未和子(3rd) 文・松本千登世
テーパードボブで新しい私。
平野さんが、トレードマークだった髪を切る。思い切った決断のように見えますが、そもそもきっかけは?
「デビュー以来、“バブル”をネタに活動していたので、『ロングじゃなきゃ』という勝手な使命みたいなものを感じていたんですね。
ただ、芸歴10年を迎え、ありがたいことに仕事の幅も広がり始めて、やっとあのキャラクターをやり切った感覚になれて。ひとつひとつ仕事をこなすにしたがって、確信と自信が積み重なって……。もうひとりの自分が、この髪に頼らなくてももう大丈夫、変化して行こうよ、と」
一方で、髪の傷みも気になっていたのだと言います。
「カラーリングを繰り返していたのに加え、出産を機に手をかけなくても決まるようにとパーマをかけたんですが、ケアをしないどころか乾かしもしないから、毛先が茶色くパサついて“よく取れる箒”みたいに(笑)。
仕事ではヘア&メイクさんがごまかしてくれるし、オフのときは一本結びで隠して何とかやり過ごしてきたんですが、もうそういうのもやめたいなあ、って。髪を大切にできないのであれば、手間をかけられないのであれば、手放していかなくちゃ。そう思ったんです」
イメージに近づけるよう切りながら、シルエットを調整。
そんな平野さんがずっと挑戦したかったのは、「重めのボブスタイル」。
「重さを感じさせる前下がりのシルエットにトライしたいと思っています。どこかモード感が漂うスタイルが好きなんですよね。それでいて、仕事柄、巻いたりまとめたりすることも多いので、アレンジが利くほうがいいかなあ、とも」
今回、平野さんのヘアカットを担当するヘア&メイクアップアーティスト・林カツヨシさんのアドバイスは?
「ノラさんの髪は、細いけれど量は多い。少し癖がありますね。おっしゃるとおり、カラーとパーマで傷みが激しいので、その部分をカットして、なおかつ、重さを残しつつも毛先に少しだけ段を入れて、動きを出しやすくするのはどうでしょう?」
傷んでいる部分を「ブラントカット」でぱつんと切り揃えてベースとなる重め前下がりシルエットを作り、一度乾かしてから、髪の先端だけを小刻みにカットする「チョップカット」で段を入れ、オーダーに沿ったスタイルに仕上げ。
ケープを外し、衣装をまとって全身鏡を見た平野さんは……?
「顔周りの前下がりシルエットが、気にしているフェイスラインを強調している気がして。もう少し短いほうがいいのかな?」
林さんと相談し、前下がりからイーブン(同じ長さ)に。ストロークカットでレイヤーを入れ、毛先が動きやすく、裾が少しすぼまる形のテーパードボブに辿り着きました。さあ、新しい平野さんの完成です!