サンシャイン池崎さん「元・保護猫の2匹が、僕の人生に幸運を運んでくれました。」
保護した犬や猫の新たな飼い主を見つけるために奔走している人たちがいます。見えてきたのは、今ある命をもっと大切にしようということ。
撮影・中村ナリコ イラストレーション・オカタオカ 文・篠崎恵美子
小さな頃から猫好きで、いつか経済的な余裕ができたら猫と暮らそうと考えていたサンシャイン池崎さん。
「鹿児島の実家は、屋根裏に野良猫がいるような家だったので、雑種の猫が好きです。ペットショップで買うということは、まったく考えませんでした」
友人の市岡元気さん(サイエンスアーティスト)に猫と暮らしたいと相談したら、保護猫のNPO法人「猫の森」を紹介された。
「保護団体に行くのは初めてでした。団体といっても普通の一戸建てのきれいな家で、ちょうど子猫がたくさんいたんですよ」
すっかりもらう気になり、後日送られてきた写真を見て雷神(らいちゃん)に一目惚れ。実際に会いに行ったら、らいちゃんとは別の親猫から生まれた風神(ふうちゃん)がトコトコと歩き回っていて、この子もかわいいなと。
「2匹ともどうですか? とすすめられて決めました。いやぁ、2匹同時にもらって本当によかったです」
池崎さんが留守にしている間も2匹で遊んでいるし、互いにじゃれあうことで噛む加減がわかったのか、人を噛まない猫に育った。
2匹との縁をきっかけに池崎さんは猫の森の「保護猫の預かりボランティア」も経験。人間に懐いていない猫を少しでも慣れさせるために、一定期間自宅で預かるというものだ。もちろんお世話も慣れたもの。
「猫と暮らしてから生活が明るくなりましたね。おかげさまで仕事も順調で(笑)。いろんな猫が保護されているので、保護団体を訪ねてみると思わぬ出会いがあるかもしれません」
『クロワッサン』1056号より