抗加齢学、アルツハイマー等が専門の医師・白澤卓二さんの「自然塩健康法」。
文・浅羽 晃 イラストレーション・山下カヨコ 撮影・岩本慶三
自然塩健康法
自然塩と精製塩はまったく違う!ミネラルが豊富な塩は病気を防ぎます。
白澤卓二さんのタイムスケジュール
【5:00】起床論文を読む、原稿を書く、シャワー
【7:00】朝食(コーヒー or お茶)
【9:00】クリニックで当日、診療する患者のデータを確認
【9:40】スタッフミーティング
【10:00】診療開始。昼休みは基本的になし
【15:00】昼食(取らないことも)
【19:00】診療終了
【20:00】仕事の打ち合わせを兼ねての会食(自身がメニュー監修しているレストラン)
【23:00】入浴(バスタブに浸かりながらiPadで海外ドラマ鑑賞)
【1:00】就寝
ドクター白澤健康法 ミネラルをたくさん含んだ自然塩は、積極的に食事に取り入れる。
血圧を高める原因物質として、とかく悪者扱いされがちな塩。健康長寿を目指し、減塩に取り組んでいる人は多くいます。
ところが、抗加齢学の先端的研究を続ける一方、臨床も長い白澤卓二さんは、塩の摂取量を制限していません。ただし、塩の種類を選びます。使うのはカリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルを多く含む自然塩で、塩化ナトリウム99%以上の精製塩、いわゆる食塩は一切使いません。
「現在、私は主に岩塩を使っています。岩塩の各種ミネラルによって体内のミネラルバランスが整うと、塩の摂取量は多くても、ナトリウムは体外に排出されます。ところが、精製塩によってミネラルバランスが崩れると、ナトリウムが排出されなくなるため、血圧が上がるのです」
白澤さんは2018年に、抗加齢学の研究成果を集結した介護付有料老人ホームを開設しました。食事の監修もしており、ここでも使っているのは岩塩です。
「食事によって血圧が落ち着いてくると、入居者は降圧剤に頼らなくてもよくなります。しかも、塩分制限をしないので、おいしく食べることができるのです」
精製して極端に白いものは体に悪いというのが白澤さんの基本的な考え方で、それは砂糖にも当てはまります。
「精製した砂糖は血糖値を急激に上昇させます。精製した塩も砂糖もキッチンに置かないこと。あれば使ってしまうので、捨ててしまいましょう。それが第一歩です」
白澤さんは海外に出かけた際、使ってみたいと思う塩があると大量に購入。最近、買ってきたのは農薬の心配がないモンゴルの岩塩で、成分はヒマラヤの塩に近い。岩塩ではないが、イスラエルの死海の塩も気に入っている。
自然塩に含まれるミネラル
●カリウム
細胞外液に含まれるナトリウムと細胞内液に含まれるカリウムが連動することで、心臓は動いている。カリウムが欠けると心臓が正常に動かなくなり、心筋梗塞を起こすことも。
●カルシウム
カルシウムは骨や歯の主要な構成成分。不足すると骨密度が低くなり、特に閉経後の女性は骨粗しょう症となるリスクが増す。神経興奮の抑制や細胞分裂にもカルシウムは必要。
●マグネシウム
代謝を進める代謝酵素が働くために必要なマグネシウムが不足すると老化が進む。十分な量のマグネシウムを摂取すると、血圧が下がるほか、糖尿病の発症リスクも減る。
『Dr.クロワッサン あなたも、すぐできる! 名医の健康法』(2019年9月28日発行)より。