からだ

皮膚科医に聞く、シワを引き起こす間違った美容習慣。

美容意識が高い人ほど陥りやすい、熱心すぎるスキンケア。寒い季節につきものの“乾く”環境。シワを引き起こす原因に迫りました。
  • イラストレーション・ナカイミナ 参考・『女医が教える、やってはいけない美容法33』
慶田朋子(けいだ・ともこ)さん●皮膚科医。医学博士、「銀座ケイスキンクリニック」院長。各メディアで活躍中。近著『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)が好評発売中。

「正しい手入れを知らないまま、バリア機能を下げる行為をしている人は多いです」と皮膚科医の慶田朋子さん。

特に寒さがきびしくなってくるこれからの季節は、用心が必要。

「寒気に触れて皮膚の温度が下がると、水分が抜けシワになりやすくなります。誤った習慣は早めに見直しを」

× 丁寧が一番。クレンジングはたっぷり時間をかけます。

「毛穴の奥まで汚れを取ろうと、コットンに色がつかなくなるまで拭き取ったり、洗顔ブラシでこすったりするのはやりすぎです。コットンにつく茶色は、汚れではなく角層の中にあるメラニンの場合が多く、そんなにこすると摩擦で肌も傷みます」(慶田さん)

また、クレンジング時に行うマッサージも要注意。

「クレンジング剤には肌の保湿成分を奪う力もあるので、マッサージで長時間肌にのせていると、それだけ潤いが失われやすくなります。我流の間違ったマッサージはシワを引き起こす原因にも」

過剰なクレンジングは、バリア物質を落としキメもくずしてしまう。軽いメイクなら軽いクレンジングで充分。

× 保湿重視なので、化粧水は 何回もパッティングして浸透させます。

叩き込むほどに保湿効果が上がると思い込み、何十回、何百回(!)とローションパッティングをする人がいるが……。

「コットンが毛羽立って肌荒れを引き起こすことも。化粧水はあくまで水分。角層を濡らしているだけなので、隅々まで塗って手のひらで優しく押さえれば充分です。ローションスプレーも、その時は濡れるので潤った感じがするかもしれないけれど、保湿効果はわずか。長時間オフィスにいて肌が乾燥してきたなと思ったら、ジェル状美容液か軽い乳液を、メイクの上からつけるといいでしょう」

「そもそも化粧水は保湿に必須ではない」と慶田さん。コットンによる摩擦で肌も傷む。

× 時間のある夜は、ボディも念入りに保湿ケア♥

一見、いいことのように思えるけど、何がいけないの?

「夜の保湿はもちろんマストですが、朝、塗り足さない人が多い。顔は朝も保湿しますよね。特に乾燥する冬は、1日2回、ボディの保湿を。忙しいなら膝から下、肘から先、腰回りといった乾燥しやすい部位だけでも塗ると、乾燥やシワを予防できます。タイツのチクチク対策にも」

また夜のケアを念入りにしすぎることによる弊害もある。

「睡眠不足は何より肌の大敵。細胞を再生させる睡眠時間を削ってまで手入れするのは逆効果です」

睡眠が足りないと、肌のターンオーバーがうまくなされず、くすみやシワの原因にも。
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