高橋ひとみさんも悩んでいた。「免疫力」の正体と、その上げ方。
撮影・岩本慶三 スタイリング・おおさわ千春 ヘア&メイク・木村真弓 文・石飛カノ
免疫力を支えているのは消化力。胃腸を整えることが第一歩です。(蓮村 誠さん)
50歳過ぎてから風邪をひきやすく、免疫力が下がっている気がします。(高橋さん)
健康の土台である免疫力。知っているようでぼんやりとしか理解できていない人、案外多いかもしれません。今年の冬を元気に乗り越えるために、改めて免疫力について知りたいところ。
50歳を過ぎた頃からこれまでとは違う体の不調を感じていたという高橋ひとみさん。医学博士にしてアーユルヴェーダの第一人者、蓮村誠さんに免疫力に関する疑問をぶつけました。
高橋ひとみさん(以下、高橋) 免疫力が高いと風邪をひいてもすぐ治ると言いますよね。「免疫力アップ」という言葉もよく聞きます。でもなんだか漠然としていて、実際どうしたらいいのか分からなくて。
蓮村誠さん(以下、蓮村) 人の体にはいろんな臓器があって、それぞれ別の働きをしています。それらがきちんと調和していることが免疫力を高めるために一番大事なことなんです。
高橋 体にいいと言われる旬の野菜やサプリメントなどを摂っても効いている感じがしないんです。吸収する力が衰えているというか。調和がとれていないってことでしょうか?
蓮村 実は免疫力を支えているのは消化力なんですよ。
高橋 消化力! 胃腸ですか?
蓮村 胃腸の働きが弱っていると食べたものを消化できず、いい形で栄養が取り込めません。そうすると毒素となり体の中に残って詰まります。その毒素がいろんなところに溜まってくると流れが悪くなり、全体の調和がおかしくなるんです。だから、免疫力を高めるためには胃腸をきれいにして働きを整える。そうすれば食べたものを消化できるし、毒素も燃やせます。
高橋 その消化力は年齢によって落ちていったりするんでしょうか。
蓮村 そうですね。食べ過ぎたり夜遅い食事をするような生活が長年続くと、胃腸が疲れてきます。30歳くらいから消化力は弱りやすくなりますね。
高橋 私、すごく丈夫で風邪もまったくひかなかったんですけど、50歳を過ぎてから風邪をひくようになりまして。ぜんそくみたいに咳き込んだり、熱がなかなか下がらなかったり。これまではそんなことなかったのに、免疫力が下がっているのかなと思います。
蓮村 まず、消化力を元に戻すこと。そのためには基本的に冷たいものを胃に入れないことが大事です。
高橋 うわ〜、冷たいものが大好きなんです〜。季節にかかわらず飲み物は氷が入ったものや冷蔵庫でキンキンに冷やしたものばかり。それに、ちょっと寒いくらいの環境が好きなんです。夏より断然、冬が好きだし。女優さんて夏でも靴下を履いて暖かくしていて、“ああ女優さんだな〜”と思うんですけど、私はダメなんですよ(笑)。手も足も冷たいくらいが好きなんです。
蓮村 外側は少しくらい冷やしてもいいんです。問題は中、胃腸を冷やすのがよくない。胃腸は家の中の暖炉のようなものなので、そこに氷を入れたら家全体が冷えてしまいます。すべての代謝が悪くなって免疫力も落ちます。
高橋 その暖炉をよく燃やすには?
蓮村 一番効果的なのはよく沸かした白湯です。
高橋 いつ飲むんですか?
蓮村 朝一番に1杯と、食事中です。食事をしながら白湯をすすると、食べたものがよく燃えて、太りにくくなり排泄もよくなります。免疫力も確実に上がりますよ。
高橋 へえ〜、すごく簡単。(白湯をすすって)熱いのをちょっとずつ飲むといいんですね。温かいものが体にいいというのは分かっていたんですけど、先生のお話を聞いたら納得です。