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「また散らかっている!」とゆううつにならない空間学【玄関&クローゼット編】

パッと見て、〝平らな面〞が視界に広がると、部屋は整然とした印象に見えるのです。空間内のデコボコ一掃法を紹介します。

撮影・岩本慶三 文・石飛カノ イラストレーション・西川恵子

ぱっと目につく場所にモノが散乱している。それがイヤで一応棚の上に片づけたり、クローゼットの中にしまったりしたのに、今度はそこが雑然とした印象でイヤ。こんなゆううつな気持ち、どう解決したらいいのだろう。

「簡単なことですよ。空間内の〝デコボコ〟を減らし、自分の目の前には〝平らな面〟が広がるようにモノを片づけ直せばいいんです」と、すはらひろこさん。

モノが雑多に積み上げられていたり、詰め込まれていると、見た目はどうしてもごちゃついた印象になる。これをかごや箱や棚などに収納し、平らな面が多い空間にする。それだけでかなり整然とした印象に早変わりするのだ。

「自分が一番気になる箇所から、着手してみてください。記したポイント順に片づけると、効率的です。デッドスペースも有効利用して、スッキリした空間を手に入れましょう。

【玄関】玄関のものは靴箱に、廊下に散乱するものは物入れに。

「玄関〜廊下は、外から帰ってきた瞬間に何げなく置いてしまうもの、宅配便などで届いて置きっぱなしになるもの、捨てようと思って積み上げているものなどで、家の中で一番〝ザ・デコボコ空間〞になりがちです」

ここはまず、簡単にできることから始める。

「まずは靴箱の上を平らにします。散乱している小物は、廊下の壁などに薄型シェルフを設けて収納しましょう。そして靴、スリッパはすべて靴箱に。靴は互い違いに重ねれば、収納力は2倍になります。そして最後に、一番時間のかかるところへ。無造作にモノが詰め込まれている廊下の物入れの中は、用途別の箱類で整理し、モノを入れ直しましょう」

【玄関】(右)After、(左)Before
【玄関】(右)After、(左)Before

靴箱の上にはヘルメット、靴もスリッパもごちゃごちゃの玄関。廊下はなりゆきで置いてあるものでいっぱいでごちゃごちゃの印象。まず、小物はフックや薄型シェルフへ、靴やスリッパは靴箱へ。廊下を塞ぐものは物入れへ収納する。廊下の平らな面が眩しい!

【廊下の物入れ】(右)After、(左)Before
【廊下の物入れ】(右)After、(左)Before

物入れはあるものの、掃除用具やスポーツ用品、アイロンなどがごちゃごちゃでこれ以上モノが入らない状態に。たとえば棚の上段から、季節行事用品(クリスマス・正月・節句など)、レジャー用品、、スポーツやレジャー用品、古新聞などをプラスチックや布の箱に入れて収納。一番下に空きスペースも確保する。

【クローゼット】夫と妻の担当空間をしっかり分け、それぞれが管理する形に。

夫婦の寝室のクローゼットの中も、あっという間に収拾のつかないデコボコ空間になりがちだ。

「まず、夫と妻、それぞれのテリトリーをきっちり分けることが大切です。クローゼットの真ん中に布製のシャツホルダーなどを設置して空間を2等分するのが、わかりやすいですよ。そして畳める衣類や下着は引き出しケースに収納。小さな引き出しケースの隣には、脱いだ服などを入れる〝乱れかご〞を置きます。バッグ類などもそれぞれのテリトリーに収めること。そして一番上の段には季節にそぐわない衣類や小物を収納しましょう。クローゼットの一番右端、左端にはそんなに出番がない、それぞれの冠婚葬祭用の服を吊るして。これでかなり使いやすい美クローゼットに変身です。

【クローゼット】(右)After、(左)Before
【クローゼット】(右)After、(左)Before

床に雑多に置かれた夫婦の服やバッグ、季節に関係なく吊るされたコート類でぎゅうぎゅうだったクローゼットの中。中央にシャツホルダーを取り付け、スペースを2分割。引き出しケースや乱れかごをそれぞれ設置し、季節外れの服は上段に。

『クロワッサン』934号より

●すはらひろこさん 収納コーディネーター/インテリアの知識を生かした整理収納講座が好評。オールアバウトで記事を執筆するほか、『風通しのいい片づけ』(エクスナレッジ)等、著書多数。

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