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食費も時間も節約!
「蒸しいため」調理法って?

外食でお金をつかったり、予算を決めないで日々の食材を買ったり。そんな「なんとなく」の出費を考え直し、時には1人予算100円の料理(家族4人を基盤とするならその4倍で一品の予算400円)で出費を引き締めましょう。クロワッサン編集部の提案を受けて今回、料理研究家の若林三弥子さんがレシピを考えてくれました。まずは短時間で野菜の旨味をしっかり引き出す「蒸し炒め」の作り方を教えていただきました。

 

若林さんが12年前に考案した「蒸しいため」という手法だと、あっという間に野菜に火が通り、旨みを短時間で引き出すことができます。

「私はフランスの鋳物ホーローブランド『シャスール』の鍋を愛用してますが、ふたが閉まるものでしたら鍋でもフライパンでも何でもかまいません。材料を入れた鍋にしっかりふたをして強火で熱し、水蒸気で野菜の旨みを引き出してから、その旨みを野菜に戻す方法です。野菜をゆでた時、おいしくないなと感じたことはありませんか? それは旨みも栄養分もお湯の中に溶け出してしまうからなんです」

蒸しいためは、野菜と一緒に塩とひとたらしのオイルと少量の水分を鍋に入れるだけ。オイルが鍋の中の温度を急激に上げ、水蒸気を鍋の中にまんべんなく広げてくれる。鍋の中で立ち上がる水蒸気に溶け出た野菜の旨みはその後、余熱で少し蒸らすことで自然に野菜に戻っていきます。

「だから素材の味がとても濃厚。旨みが凝縮されていて。野菜を入れる順番を工夫すれば、一度に数種類の野菜を調理することも可能です。調理時間を大幅に短縮できますし、鍋ひとつで済むことも多いので、洗い物が少なくてラク。蒸しいためをぜひ覚えていただきたいです」

結婚後、夫の転勤に伴い海外各国で生活しながら一男一女を育て上げた若林さん。その経験から思うのは、
「大人の節約はメリハリが大事、ということです。ふだんは〝お金をむやみに使わない工夫〟で料理する。でもおもてなしをする時は材料費もかけてとことん心をつくす。そのバランスを大事にしたいですね」

 

野菜の旨みを短時間で引き出す
「蒸しいため」を覚えましょう。

1.火にかけていない鍋に食べたい形に切った野菜を並べる
火にかけていない鍋に食べたい形に切った野菜を並べる。

野菜を入れる順番を工夫すれば、一度に数種類の野菜を調理することも可能。

2.素材の重量の0.8%(重量×0.008)を目安に、塩を全体にまんべんなく振る。
塩を振る。

塩を振る。


3.鍋の中央あたりに油をひとたらし(油はサラダ油、オリーブオイル、グレープシードオイルなど、好きなオイルを)。
オイルは

ひとたらしのオイルを。

4.鍋の中央あたりに水分を足す(葉物やきのこ類は大さじ1、茎のもので大さじ2、根菜で大さじ3が目安。水分はスープかだし、日本酒、白ワインなどが理想)。
酒

スープ、日本酒、白ワインなど少量の水分を。


5.ぴったり閉まるサイズの合ったふたをする。強火で一気に加熱し、1~3分。
蓋をして

しっかりふたをして強火で熱し、水蒸気で野菜の旨みを引き出す

6.火を止め、そのまま余熱を通して出来上がり。
水蒸気に溶け出た野菜の旨みは、余熱で少し蒸らすことで野菜に戻っていく。

水蒸気に溶け出た野菜の旨みは、余熱で少し蒸らすことで野菜に戻っていく。


◎若林三弥子さん 料理研究家。大阪府出身。多くの料理店を経営する家庭に育つ。同志社大学法学部卒業。主婦生活34年の経験を生かし、神奈川県鎌倉市で料理サロン「ボアメーザ」を主宰。

『クロワッサン』918号(2月10日号)より

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