オープンから約60年、全国の職人が作った生活雑貨を扱う『備後屋』は、今や海外の人にも知られる存在だが、「民芸は非常に分野が広く、うちが扱っているのはほんの一部。そして何々が民芸だ、という枠組みはないんですよ」、と社長の岡田芳宗さんは語る。
店舗は5フロアあり、2階は器、3~4階は染め物などの布もの、地階は郷土玩具、1階は和紙製品やかご、そして各フロアからチョイスされた品々が並ぶ。驚くのは、商品にあまり説明がないこと。「物にストーリーはいらないと思うんです。無駄な知識があると目が曇る。うちに置いてあるものはすべて、使って初めて生きるもの。丈夫さや使いやすさなど、物本来の魅力で選んでほしいんです」(岡田さん)