物事の感じ方が変わった! 句会を体験。
より創作的な表現に挑戦するなら、俳句や小説の講座はいかがでしょう。本誌ライターの私、後藤が参加した。
撮影・岩本慶三 文・後藤真子
開票が始まると、自分が選んだ句を他の人も選んでいたら、ほっとするしなんだかうれしい。自分の句に票が入れば、もっとうれしい。単純な開票作業も楽しいのだなと発見しつつ、集計が終わると票数の多いものから順に作者が明かされて、水原さんが講評していく。この講評が参加型で面白い。
「この句はどういう情景を詠んだものでしょう。いちばん言いたかったことは何かしら」「それでしたら、この部分の言葉を変えると気持ちが入るし、物語性が生まれると思います。みなさん、いいアイデアはないですか」という具合に、作者の思いを尊重しながら、参加者全員に考えさせ、最終的には作者に決めさせるという進め方。なぜなら、「俳句は作者のものですから」と水原さん。技巧的に優れた句に直すのも可能だが、それでは作者を離れ、師の句になってしまうと語る。
私の句にもアドバイスをちょうだいした。イースターの句は、季語が桜、若葉、イースターと重なっており、後半部分の詩因(その句で詠みたいこと)に対して冒頭の桜の印象が強すぎるため、「桜降り」を「風の息」などと変えるといいそうだ。猫の句は、「春眠や」と切れ字を使うとメリハリがつく。
「みなさん、詩因は良いのです。あとは、どう表現するか。季語を多くお知りになると、世界が広がります」
句会中、主宰の水原さんが選んだよい俳句も15句ほど発表される。