【荒木久美子さん×山路徹さん】 もしかして一般人のほうが有名人より激しく不倫してる?
山路徹さん(以下、山路) 先日ドイツのジャーナリストと話してたら、元首相のシュレーダー氏が不倫してるらしいんですよ。タブロイド紙に書かれてるんです。「シュレーダー、新しい恋を見つけた。がんばれ!」って。
荒木久美子さん(以下、荒木) いいんですか? 不倫なのに。
山路 ドイツの世論はね、「おいぼれ爺さん、また恋を見つけられてよかった。応援しよう」という感じ。
荒木 妻は文句を言わないんですかね、それについては。
山路 文句……まあ怒るんだろうけど、世論は「夫人も怒ってないで新しい恋を見つけなきゃ」と、すごくポジティブな方向に向かっていく。
荒木 なんか本当? 日本人的にあまり理解できないけど。
山路 日本じゃありえないけど、歴史と文化が違うから不倫の評価がまったく違う。日本もいま、曲がり角にきてるんじゃないのかな?
荒木 なんでみんなもっと理想的なパートナーシップを築こうとしないのかな。私はそう思いますよ。不倫って妥協した恋愛でしょう。夫に妥協してるのか、パートナーに妥協してるのか。どっちのパターンもありそうですけど。
山路 まあね、妥協というほどの理屈はおそらくないんですよ。出会いがしらにぶつかった事故のようなね。
荒木 感情に任せてやってるんだと思うけども、そうではなくて理性を働かせて選んだベストなパートナーがいれば満足するわけだから。
山路 いればね(笑)。
荒木 満足できるパートナーと結ばれることを求めないで、つまみ食いでお腹を満たそう。そういう話でしょ?
山路 しかし結婚してしまってから出会ってしまった場合はね……いまこれだけ数の多い世の中の不倫というのは、個別にいろんな事情がある。
荒木 夫婦関係を改善していくことも、できないことではないと思うし。
山路 おっしゃるように修復可能な関係の夫婦もあると思います。一方には、夫には身体を触られるのも嫌だけど恋はしたい。女としての残り時間があまりないから本当のセックスをしたい。そういう女性も多いんですよ。
荒木 それなら離婚して理想の相手と再婚すればいいじゃないですか。
山路 それができないから……。
荒木 責任は取りたくないけど、いい思いはしたい。それで不倫の恋に発展するわけですよね。シングルの女性にもよくいますよ、そういう子。
山路 例えば?
荒木 結婚という責任を取りたくないから妻のいる男性とばかりつきあうとか。男性にもありますけどね、夫のいる女性ばかり追いかけるパターン。
山路 あっそうなんだ。
荒木 結婚してなくてもいいんですよ。モテる独身男性でもいいんです。自分を本命にしないから、結婚とか重いことがなくて助かるわ、というパターン。
山路 すごいですね、ウィン=ウィンじゃないですか(笑)。
荒木 ぜんぜんウィン=ウィンじゃないですよ、そんなの。
山路 お互いに利害が一致する自由な恋愛ってことですよね。
荒木 まあ刹那的に見たら利害が一致してるんだけども、長い目で見ると本当の幸せからの逃げなんですよ。
山路 それで満足してる人がいるのも事実なんだよね。
荒木 満足っていうか上っ面のごまかしだと思いますけどね。年を取ったときどうする?って本気で向き合ったら、たぶん怖くなって涙出ます。
山路 うーん、ある程度の年齢になってから同窓会とか女子会とかで情報交換すると、女性の喜びを感じたことがない女性がセックスの素晴らしさを聞いてしまって、“私のセックスと全然違うじゃないか。夫とはセックスレスだし”と自問自答して、それで婚外恋愛とか不倫に走っていくそうですよ。
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