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冬の味覚を堪能する。きらきら羽越観光圏の旅<1>

文・斎藤理子

1月に開催される寒鱈祭りは
鶴岡の冬の一大イベント。

冬の味覚を堪能する。きらきら羽越観光圏の旅<1>
冬の味覚を堪能する。きらきら羽越観光圏の旅<1>

鶴岡では毎年1月に、「日本海 寒鱈まつり」が開催されます。29回目を迎える今年は、1月15日に開催。メインストリートの鶴岡銀座商店街の通りを25あまりのブースが埋め尽くし、それぞれの味わいを提供してくれました。最強寒波到来で、全身が凍えるような寒さの中、どのブースからも美味しそうな湯気が立ち上ります。寒鱈汁はどこでも1杯600円。食べ比べてみると、なるほど、同じ味わいはひとつとしてありません。やはり、白子や肝(アブラワタ)を惜しげもなく使っているブースには長蛇の列ができます。奥田シェフがプロデュースする「アル・ケッチァーノ地ぱんgood」では、なんとクラムチャウダー風のクリームスープ系寒鱈汁を販売して、異彩を放っていました。

寒鱈まつり

時折吹きつけて来る横殴りの吹雪の中でいただく寒鱈汁は、文字通り冷えたからだに染みわたり、身も心も芯から温めてくれます。「寒鱈汁は寒ければ寒いほど美味しい」と庄内人がいうのも納得。真冬の屋外イベントにもかかわらず、約2万食を売るという「寒鱈まつり」。庄内人の冬のソウルフードがここにあります。

町のいたるところで味わえる寒鱈汁。
汁専門店なら1杯だけでもOK。

今年の寒鱈まつり自体は終わってしまいましたが、寒鱈汁の季節はまだまだ続きます。市内の割烹や和食店、旅館の多くは、冬の間寒鱈汁がメニューにあります。その中でも、気軽に寒鱈汁が体験できるのが、「Zupperia荘内藩しるけっちぁーの」。庄内では四季折々や行事ごとに、種類豊富で独特な汁が作られ食べ継がれてきました。この豊かな汁文化の伝統を紹介するために、奥田シェフがプロデュースしたレストランです。ランチタイムには季節の汁と在来野菜や地場野菜を使ったヘルシーな定食、それ以外の時間は単品で汁物が味わえます。

Zupperia荘内藩しるけっちぁーの

冬はもちろん寒鱈汁。「寒鱈まつり」のブースで提供されたものとは打って変わり、こちらの寒鱈汁は味噌味の正統派。寒鱈と岩のりもたっぷり入っています。これにご飯とお漬け物、寒鱈の子の醤油漬けがついた定食が950円。冬はキノコ類や芋がらなど、身たくさんの納豆汁もおすすめです。朝9時から営業しているので、ここで寒鱈汁をいただいて身体を温めてから観光、なんていうコースも良さそうです。

寒鱈汁

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