食やお酒が好きな仲間と。誰でも出入り自由、大人の“ゆる団体旅行”を満喫──料理研究家・しらいのりこさん
イラストレーション・辻本まみ 文・小沢緑子
しらいのりこさんが今、楽しんでいるのは、食やお酒が好きな仲間と大勢で出かける食いしん坊ツアー。昨年は海外づいていて、ベトナム、イタリア、韓国と続けざまに出かけた。
「“大人のゆる団体旅行”と呼んでいます。飲み会で誰かがポロッと『どこどこに行きたい』とつぶやくと、その話がいつの間にか進んで実行されている感じです」
メンバーはいつも流動的で、1回の旅で人数はだいたい4〜10人。
「『行きたい人はこの指止まれ!』的な旅で、行き帰りも宿もバラバラなこともあります。途中参加もOK、メンバーの現地にいる知人も飛び入りするなど、出入り自由な旅なのが楽しくて」
旅行中の行動もとにかく自由だ。
「メンバーは自分の“好き”がはっきりしている人ばかりなので、旅の間もずっと一緒でなく、日中は自分のテーマや興味に基づいて個人行動。お昼や夕食で合流して、おいしいものを皆でワイワイと楽しむことが多いです」
しらいさん自身の旅のテーマはずばり「米」と一貫している。
「私はどこに行っても“世界米研修”(笑)。お米のことだけ考えているので風光明媚な場所に全く興味がないんです。旅先では米どころを訪ねるのはもちろん、市場やスーパーでお米や調理道具を見るほうが興奮しますね」
まるで「大人の修学旅行」ですと言って、楽しそうに笑う。
「若い頃は時間があり余っていたけれど、この年になるとムダな時間はひとつもない。大人の旅は情報戦だと思っていて、行く前にかなり下調べをしますし、一緒に行く人たちとおすすめのお店、レストラン、食べたいものなどの情報を共有。海外では現地のコーディネーターさんにガイドをお願いすることも。通訳付きで現地の生の情報も得ることができ、情報の解像度があがります。昨年イタリアを旅行したときは、現地在住の日本人ガイドさんのおかげで3日間かける予定だった工場見学の行程をなんと1日で効率よくまわることができました」
時には友人の誘いにのって、興味の範囲外の場所へ足を運ぶことも。
「人にのっかることで得られる体験や出会いもありますから。それにゆる団体旅行は圧倒的に安心感がある。見知らぬ土地でいざ何かがあっても、相談できる人がいるのは心強い。これからも『誘われたら断らない』をモットーに旅を楽しみたいと思っています」
「お土産をたっぷり買うので荷物を吊り下げるだけで重さを量れるラゲッジスケールは必携。紛失防止のエアタグは複数用意して、スーツケースと、パスポートを入れたウエストポーチにも忍ばせていました」
『クロワッサン』1158号より
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