再生、修復、コントロール──3つの方向性で栄養チャージして、“血管を丈夫でしなやかにする”食事とは?
撮影・柳原久子、小川朋央(河村さん) スタイリング・高島聖子 構成&文・堀越和幸 撮影協力・UTUWA
管理栄養士、トレーナーの河村玲子さんによれば、血管にトラブルを引き起こす原因は次の5つに大別される。すなわち、動脈硬化、高血圧、老化(酸化)、内臓脂肪やストレスなどによる慢性炎症、そして高血糖だ。
「これらは独立して存在しているというよりは複合的に悪さを起こしている場合がほとんどです。食事で血管を強化するには、食材の栄養素が持つ働きをまず考えて、それをうまく組み合わせていくのがいいと思います」
そこで今回、河村さんが注目した栄養補強は3つの方向性だ。まずは、血管を再生させるための魚の油。
「EPA、DHAは体にいい油として広く知られていますが、DHAが脳に働きかけるのに対して、EPAは中性脂肪を抑えたり血管のメンテナンスをする働きが強いといわれています」
EPAを多く含む魚種は、例えばマグロ、サバ、ぶり、鯛など。
「調理法は焼くと油が落ちるので、生でいただける料理がおすすめです」
2つ目は、かぼちゃや小松菜などカリウムを含む血圧対策をする食材。
「カリウムは体の余計な塩分を排出させるので、高血圧対策の食事によく用いられます。さらに今回は、それを補強する組み合わせとして、カルシウムやマグネシウムと血圧の上昇を抑える働きのある栄養素もセットで摂るように工夫をしてみましょう」
そして3つ目は、ポリフェノール系の抗酸化物質を含む食材で、活性酸素などで傷ついた血管を修復したり、血管の弾力性を取り戻す食事を考える。
「濃い色のベリーに含まれるアントシアニンやイソフラボンが摂れる大豆食品などを積極的に取り入れます」
「血管の再生」に必要な脂質を魚油から摂るレシピはこちら
塩分排出食材で「血圧をコントロール」するレシピはこちら
抗酸化物質で傷ついた「血管を修復」するレシピはこちら
『クロワッサン』1154号より
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