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受け継いでいるのは食の知恵。日常の贅沢“百年調味料”

親も祖父母も、なんならご先祖様も、同じ味を食べてきたかと思うと感慨も深い。長く食文化を支えてきた調味料をご紹介します。

撮影・中島慶子 文・兵藤育子

受け継いでいるのは食の知恵。日常の贅沢“百年調味料”

まるや八丁味噌
有機八丁味噌

二夏二冬を越えてじっくり熟成
愛知県岡崎市の岡崎城から西へ8丁(約870m)の距離にある八丁町で造られてきたことに由来する、八丁味噌。醸造業からスタートして江戸時代から八丁味噌造りを始めた、まるや八丁味噌。原材料は有機大豆と塩のみで、添加物は一切不使用。巨大な杉桶に味噌ができるギリギリの水分で仕込み、その上に石を積み上げて、2年以上熟成。大豆のうまみが凝縮された味噌は、伝統の賜物といえる豊かな味わい。

300g 756円( TEL:0564-22-0222)
受け継いでいるのは食の知恵。日常の贅沢“百年調味料”
石積み職人が形や重さを計算しながら、円すい状に石を積む
石積み職人が形や重さを計算しながら、円すい状に石を積む
受け継いでいるのは食の知恵。日常の贅沢“百年調味料”

白扇酒造
福来純(ふくらいじゅん)「伝統製法」熟成本みりん

手間ひまが生み出す、琥珀の輝き
安価なみりん風調味料などに押された時代も、昔ながらの製法を実直に守り続けてきた白扇酒造。現在は「一度使ったら変えられない」みりんとして広く愛用されている。原料はもち米、米麹、米焼酎とすべて米由来。麹づくりも含め、労力をいとわない伝統的な手法で約90日仕込み、熟成に約3年かけたみりんは琥珀色に輝き、大量生産では出せないうまみとコクが。縁の下の力持ちとして料理を引き立ててくれる。

500ml 1,100円(TEL:0120-873-976)
受け継いでいるのは食の知恵。日常の贅沢“百年調味料”
岐阜・川辺町でみりんや日本酒を製造。歴史の重みを感じさせる建物
岐阜・川辺町でみりんや日本酒を製造。歴史の重みを感じさせる建物
受け継いでいるのは食の知恵。日常の贅沢“百年調味料”

岩井の胡麻油
金岩井純正胡麻油

和洋中問わず使いたい、風味と香味
千葉県で創業し、貿易の拠点・横浜に移ってごま油を製造するメーカー。大正時代から変わらないレトロなパッケージが目印。最大の特長といえる風味・香味は、焙煎が命。ごまの特性や気温を見極めながら、職人が五感を駆使して最適な状態に焙煎していく。さらに有機溶剤を使用しない圧搾製法で、コクのある油に。揚げ物はもちろん、加熱しない料理にも。バニラアイスにかけるとナッツのような香ばしさが!

800g 2,300円( TEL:0120-38-9966)
受け継いでいるのは食の知恵。日常の贅沢“百年調味料”
焙煎具合は、ごまの色や手で潰したときの音、香りなどで職人が見極める
焙煎具合は、ごまの色や手で潰したときの音、香りなどで職人が見極める
受け継いでいるのは食の知恵。日常の贅沢“百年調味料”

飯尾醸造
富士酢プレミアム

ふくよかな味わいの、極上純米酢
安全な原料へのこだわりや農家のサポートなど、時代に先行してきた京都の飯尾醸造。看板商品「純米富士酢」はファンが多い一方、米酢本来の香りに違和感を覚える人がいて、飲食店では“使いづらい”お酢だったそう。こちらは「米酢」と表示できる量の8倍の米を使用し、20年かけて実現させた究極の純米酢。やさしい香り、穏やかな酸味をより味わうなら酢飯など火を入れない料理に。めんつゆの隠し味にも。

500ml 1,728円( TEL:0772-25-0015)
受け継いでいるのは食の知恵。日常の贅沢“百年調味料”
昔ながらの静置発酵と長期熟成で、手間を惜しまず造り上げる
昔ながらの静置発酵と長期熟成で、手間を惜しまず造り上げる
受け継いでいるのは食の知恵。日常の贅沢“百年調味料”

川上商店
有馬 粉さんしょう

少量で食材が華やぐ、和スパイス
兵庫・有馬温泉にて、野山で採れた松茸や山椒などを炊いて湯治客をもてなしていたのが、川上商店のルーツ。地元の山椒を含む国産山椒を石臼で丁寧に挽いたのが、こちらの商品。種を丁寧に取り除いて粉状にすることで、風味が一層豊かになり、香りも長持ち(ただし冷凍保存が鉄則!)。塩と混ぜて山椒塩にすれば、焼き魚やステーキなどさまざまな料理のアクセントに。チーズなどの乳製品と合わせるのもおすすめ。

8g 1,674円(TEL:078-904-0153)
受け継いでいるのは食の知恵。日常の贅沢“百年調味料”
有馬温泉街の店舗では、佃煮や山椒のオリジナル商品を販売
有馬温泉街の店舗では、佃煮や山椒のオリジナル商品を販売
受け継いでいるのは食の知恵。日常の贅沢“百年調味料”

宮崎商店
玉砂糖

ヘルシーでうまみも豊富な、含蜜糖
砂糖発祥の地とされる東京都江東区に、唯一残る含蜜糖メーカー。蜜分を分離し、糖分のみを結晶化した分蜜糖(上白糖、グラニュー糖など)に対し、含蜜糖は蜜分を含んだまま製造しているので、素材由来のミネラルなどが豊富。玉砂糖は名前のとおり、玉状の蜜分がコロコロと混ざっていて、分蜜糖にはないうまみが特長。照り焼きや煮物のコク出し、ソースやスープの隠し味に。後味もスッキリしている。

500g 687円*価格は編集部調べ( TEL:03-3644-3164)
受け継いでいるのは食の知恵。日常の贅沢“百年調味料”
玉砂糖はサトウキビから取れる原料糖と糖蜜をかけ合わせた、赤糖
玉砂糖はサトウキビから取れる原料糖と糖蜜をかけ合わせた、赤糖

『クロワッサン』1150号より

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