【俳優・古田新太さんに聞いた】劇団員が全員集合。45周年のおまつり騒ぎ!──チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎『爆烈忠臣蔵~桜吹雪 THUNDERSTRUCK』
撮影・シム・ギュテ スタイリング・渡邉圭祐 ヘア&メイク・田中菜月 文・黒瀬朋子 衣装協力:参丸一(アトリエ 林)
今年、結成45周年を迎えた劇団☆新感線。9月の松本公演を皮切りに、チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎『爆烈忠臣蔵~桜吹雪 THUNDERSTRUCK』を上演している。
「主宰のいのうえ(ひでのり)をはじめ、劇団員はみんな続ける気なんかなかったんですよ。ただ、毎公演やり切ったとは思えなくて、もっと面白いことができるんじゃね?とやっているうちに45年経っちゃった」
看板俳優の古田新太さんが参加したのは結成4年目。大阪芸術大学の学生劇団からスタートしたが、ノリは20歳の頃から変わらないという。
「歌って踊って戦って笑わせる。くだらないことが好きなメンバーが結局、残りましたね」
結成時は小劇場ブームだったが、ここまで息が長く、1公演15万人を動員するほど成長した劇団はない。
「うちはノンポリだし、難しくない。何も考えなくても『あー楽しかった』と思える芝居だから、敷居が低い。普段、演劇を観ないようなお客さんも来てくれるようになったんです。
あと、最初から派手好きでした。採算度外視で照明やスピーカーに金注ぎ込んでド派手にやっていた。その後、お客さんが増えて、プロのスタッフやアクションチーム、アンサンブルを頼めるようになったから、ものすごくクオリティ高く、くだらねえことができるようになりました」
毎公演、アイドルや人気俳優、宝塚や大衆演劇出身者など、多彩なゲストを呼び客層を広げた。呼ばれた若手俳優たちが新感線の舞台を経て芝居好きになり、舞台俳優としてその後活躍するという、演劇界の裾野を広げたのもこの劇団の功績だ。
「演劇は自由。もっと破天荒なことをやっていいんだぜ、というのを啓蒙したい。お行儀いいことばっかやってんじゃねえぞ、コラ!と(笑)」
『爆烈忠臣蔵』は、江戸時代を舞台に『忠臣蔵』を上演しようと奔走する芝居好きたちの物語。オマージュシーンもあるらしい。
「『忠臣蔵』そのものをやるわけじゃないから、そこは期待しないで。ただ、大体の物語と登場人物を知っておくとより楽しめると思います」
橋本じゅんさん、高田聖子さん、粟根まことさん、羽野晶紀さん、橋本さとしさんらが久しぶりに劇団で集結するのも注目。小池栄子さん、早乙女太一さん、向井理さんら、新感線お馴染みの面々が華を添える。
「この3人は新感線のやり方を熟知しているので何のストレスもないです。稽古で劇団員がふざけ出すことも知っているので。公演期間は3カ月強ありますけど、ウケないネタはどんどん切って、12月には上演時間30分短縮を目指したいです(笑)」
『爆烈忠臣蔵~桜吹雪 THUNDERSTRUCK』
2025年劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演 チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太、橋本じゅん、高田聖子、粟根まこと、羽野晶紀、橋本さとし/小池栄子/早乙女太一/向井理ほか
大阪公演:10月9日(木)~23日(木)、フェスティバルホール
東京公演:11月9日(日)~12月26日(金)、新橋演舞場
https://www.vi-shinkansen.co.jp/bakuretsu45/
『クロワッサン』1150号より
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