100均で買い物、遠くても安いほうの店に行く──その努力は無意味かも? 残念すぎる節約とは
撮影・中島慶子 イラストレーション・宮田ナノ
生活雑貨はなるべく100均で買う
倹約家の味方的存在も、利用にはご注意を。
「工夫があっていい商品が多いんですが、ものによっては耐久性がないため結局買い替えることも。それにもし丈夫だったとしても、安いと大事にしないんですよね……。また100均ショップの店内にいるとついあれこれ欲しくなるので、予定にないものは買わないよう、目的の売り場以外は見ないという工夫も必要です」(井上ポイントさん)
スマホのキャリアは替えないほうがいい
年とともに疎くなる、電子機器の知識。
「よくわからないからと、スマホの前の携帯電話を使い始めた時から何十年ずっと同じキャリアを使っている人もいるかと思いますが、替えない理由が“わからない”だけなら、もったいない。ぜひ見直しをしてください。オンライン専用の料金プランにするだけで、10GBだと月4,000円ぐらいは浮きますよ」
サブスクやサービスの停止・解約は気づいた時にする
このサブスクあんまり使ってなかったな、と思った時にすぐ解約する。これは間違いなの?
「気づいた時では遅いというか、既にけっこう無駄払いをしているはず。こうしたサービスは利用料が自動引き落としだったりして、払っている実感がないのが怖い。毎月は数百円だからいいかと思っても1年だと何千円にもなるので、1日有給を取ってでもすべて見直して解約を」
光熱費の節約のため、家族全員で行動する
電気やガスを使うタイミングを合わせれば、確かに光熱費は削減できる。
「でも、寝る時間や生活行動を揃えるのはストレスが溜まるので、長く続けると反動で家族間の不和が起きるおそれも。我が家は、お風呂は極力子どもと一緒に入って追い焚きしないようにしていますが、これができるのも子どもが小さいうちだけ。そして、時間を開けずに入れば実は光熱費もそこまで変わらないんです」
節約は我慢することである
物価高が続くと、少しでも出費を減らそうと、食費を削ったり外出を控えたりする人が増えるが、井上さんはそうした手段を否定する。
「我慢するとストレスが溜まり、いずれ不健康になります。それで医療費がかかってしまっては大損。一番の節約は、健康体でいること。収入の範囲を超えないなら、やりたいと思ったことにお金を使ったほうが、結果的にはいいと僕は思います」
商品券は頻繁に活用する
金券ショップで商品券を安く購入して買い物に活用。賢い節約術のように思えるが、
「割引で売られているといっても数%なので、数十円、数百円のために行動を起こすのはもったいない。買いに行く手間や、用途に制限があることを考えると、あまりコスパは良くないです。また、お釣りが出ないタイプがほとんどなので、つい不要なものに浪費してしまう落とし穴も」
少しでも安い店なら遠出も辞さない
2軒で同じものを売っている場合、遠くても安いほうの店に行く、そんな行動に井上さんは疑問を投げかける。
「果たしてその労力は節約になっているのか? と。僕は自分の時給の目安を1,000円と考えていて、それを下回る節約はしません。例えば30円安い牛乳が売っていて、そこが5分歩く距離の店なら行かないけれど、100円安いなら行く。そんなふうにルールを決めないと、時も金も失うことに」
服やアクセサリーは海外のネット通販が一番お得
トレンドのアイテムが驚くほど安く売られている海外通販にも落とし穴がある。
「特に複数のショップが出店するECモールは、うまく見極めないと安物買いの銭失いになるおそれが。よく知っている店の出品ならいいですが、そうでない場合は粗悪品が届くことも。通販を利用する時は、サイトの店舗情報を調べ、実店舗がないようなショップは避けましょう」
家族を巻き込めば節約ははかどる
家計を共にする同居家族。彼らの協力を得られれば、節約効果も上がりそう。
「これは、家族の性格にもよりますね。乗り気じゃない人に無理強いをしても、はかどらないどころか家の中がギスギスしちゃいます。我が家は貯めたポイントでこれまで何回もハワイ旅行をしているので、家族も節約を楽しんでいますが、そういった共通の目標を立てるのも一手です」
『クロワッサン』1146号より
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