髙地優吾さんが語る、主演舞台『ある日、ある時、ない男。』──「芝居で何歳にもなれると思うから、年齢不詳ということにしました」
撮影・小笠原真紀 スタイリング・柴田拡美(Creative GUILD) ヘア&メイク・福田純子(Nestation) 文・木俣 冬
髙地優吾さんの公式プロフィールには「※本人の希望で年齢非公開になりました。」とある。所属するSixTONESのメンバーは全員、生年が記されているにもかかわらず、なぜ?
「面白いからやったというのが発端です。役者とは何歳の役でも演じるものですから、年齢に縛られずに活動していけたらいいかなという思いもあります。また、日本人は外国人から見たらとても若く見られますよね。あえて公開しなくても、見た人が感じた年齢でいいというのが最高かなって」
アイドルは夢を売り、役者はいろいろな役になる仕事。年齢の先入観をなくすのは理にかなっている。本誌の撮影時も少年のような顔、大人びた顔、様々に変化していた。自身の表現の引き出しは現時点でどれくらいある?
「いくつあるか……は難しい質問だなあ(笑)。出来上がっていない引き出しがいくつもあるという感じです。スムーズに開く扉はまだ2個くらいなのでこれから仕上げていきたいです」
引き出しの数でなく形で言い表す感性の鋭さを見せる髙地さん。いまのところ等身大の役が多いという。今度の主演舞台『ある日、ある時、ない男。』は、ついてない男・良介が一攫千金(2000万円)を狙ったことで巻き起こるコメディ。
「職もない、金もない、運もない不憫な人物です。大卒で就職して4年目くらいというある程度、仕事に慣れてきて落ち着く時期に何もなくて追い込まれ、失うものも何もないと思いきって行動に出たら……というお話です。不憫な役をネガティブになりすぎないように演じようと考えています」
役とは違って髙地さんは運がいいほうだと言う。そして、堅実でもある。
「僕はコツコツやるタイプです。一攫千金は狙いません。例えば、宝くじを1万円分買うより1,000円ずつ、利率のいいところに積み立てて、1万円以上の価値にしていくほうがいいんじゃないかなと思うほうです」
仕事の仕方も堅実そのもの。
「バラエティ3:歌・踊り3:演技3と、いい具合に均等にやっています。残りの1は趣味などのプラスアルファで、それも仕事に繋げていけたら。そうやってコツコツ積み重ねて、ある年齢になったら実年齢を公開するのも面白いかもしれないですよね」
『クロワッサン』1146号より
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