旅情をかき立てる「駅弁図鑑」その土地ならではの味が魅力
土地の名物や名産が詰まっているのが、やはり駅弁の魅力。中でも一度は食べてみたい12選をご紹介！
撮影・岡本佳樹（冒頭写真）、中島慶子 文・小沢緑子 構成・中條裕子
［名物おかず］シウマイ弁当（横浜駅）
愛され続ける“横浜のソウルフード”
昭和29年の登場以来、“横浜のソウルフード”として愛されてきた。名物である豚肉と干帆立貝柱を使った昔ながらのシウマイを主役に、鮪の漬け焼き、蒲鉾、鶏の唐揚げ、玉子焼き、筍煮、あんずなど、変わらぬ味のおかずがぎゅっと一箱に。1,070円。神奈川県内ほか、東京駅、品川駅、上野駅など東京でも各駅で入手可。
（崎陽軒 https://kiyoken.com）
［名物おかず］高原野菜とカツの弁当（小淵沢駅）
カツと食べたいのはやっぱり生野菜！
八ヶ岳高原の玄関口、山梨の小淵沢駅のロングセラーは“日本初の生野菜入り駅弁”。昭和45年に誕生した。八ヶ岳山麓で採れるレタス、セロリ、きゅうりなど、シャキシャキとした鮮度をそのまま保った生の高原野菜は、冷めても硬くならないと評判のチキンカツとの相性抜群。1,300円。甲府駅（土・日・祝日のみ）でも入手可。
（丸政 https://www.ekibennomarumasa.com）
［寿司］元祖 かに寿し（鳥取駅）
駅弁のかにのちらし寿司の元祖
昭和27年から販売している、駅弁のかにのちらし寿司の先駆けがこちら。ふわふわのほぐし身、かに脚とも、新鮮なうちにボイル。手作業で丁寧に身を取り出してから、専用の酢を数種ブレンドし甘酸っぱく調味している。独自の冷凍保存技術により通年で販売。1,480円。新大阪駅、東京駅などでも入手可。オンライン通販あり。
（アベ鳥取堂 https://www.abetori.co.jp）
［寿司］ますのすし（富山駅）
富山といえば、の名物を駅弁に
明治45年に駅弁として販売。香りがよく緑鮮やかな笹の葉で包まれた押し寿司で、すし飯の上にはほどよく脂がのった桜色のますが並び、見た目も美しく上品。富山を代表する名産品となっている。外箱に描かれたますの絵は、中川一政作。1,800円。新高岡駅、新大阪駅、東京駅などでも入手可。オンライン通販あり。
（源 https://www.minamoto.co.jp）
［贅沢素材］モー太郎弁当（松阪駅）
松阪名物、日本初の五感に響く駅弁
贅沢に三重・松阪の黒毛和牛を使ったこの駅弁は、創業明治28年の老舗が生んだ“駅弁界のエンターテイナー”。真っ黒な牛の顔をかたどった蓋を開けると童謡ふるさとのメロディーが流れ、食べる前の演出も万全。秘伝のタレで煮付けた牛肉の柔らかさと旨みを堪能できる。1,700円。本店は松阪駅前。オンライン通販可。
（駅弁のあら竹 https://www.ekiben-aratake.com）
［贅沢素材］えび千両ちらし（新潟駅）
海鮮好きにはたまらない贅沢さ
小判に見立てた厚焼玉子の下に隠されているのは“海鮮のお楽しみ”。桜色のむきえびのおぼろがのった玉子をめくると、酢通しして醤油を絡めた蒸しえび、ボイルいか、うなぎの蒲焼き、わさび醤油を絡めた酢〆のこはだと、心躍るラインナップが現れる。すし飯の上にはおぼろ昆布も。1,690円。東京駅でも入手可。
（新発田三新軒 http://masaka.ekiben.or.jp）
［出汁ご飯］鶏めし弁当（大館駅）
78年来変わらぬ、郷愁をそそる味わい
昭和22年に販売されて以来、奥羽本線、秋田の大館駅でベストセラーを誇る駅弁。鶏肉の煮汁など秘伝のスープで炊き込んだあきたこまちのご飯に、醤油でほんのり甘辛く炊き込んだ鶏肉とそぼろ卵を散らした、昔ながらの変わらぬ味に郷愁をそそられる。990円。本店は大館駅前。新青森駅、盛岡駅などでも入手可。冷凍鶏めしは通販可。
（花善 https://hanazen.co.jp）
［出汁ご飯］鯛めし弁当（小）（今治駅）
鯛の濃厚な旨みと香りを丸ごと食す
予讃線、愛媛の今治駅前に、大正13年創業。来島海峡の急流にもまれて身の引き締まった来島鯛のみを使った鯛めしは駅弁としても、ご当地料理としても人気。濃厚な出汁で炊き込んだご飯とほぐした身と、鯛の香りと旨みがしっかり口の中に広がり、ダブルのおいしさがたまらない味わい。1,160円。冷凍鯛めしはオンラインで通販可。
（二葉 https://www.futaba-b.com）
［出汁ご飯］氏家かきめし（厚岸駅）
ご飯も具もかきの旨みを存分に堪能
大正6年、北海道の根室本線・厚岸駅の開業とほぼ同時期に創業した、老舗によるかきめし。かきの煮汁と秘伝のタレで炊き上げた、ひじき入りご飯の上にはぷっくりとしたかきが4つ。ツブ貝やアサリのほか、フキや椎茸など山の幸も。1,250円。厚岸駅前販売所で販売（厚岸駅ホームでの受け渡しは要予約）。東京駅でも入手可。
（氏家待合所 https://www.kakimeshi.com）
［陶器入り］峠の釜めし（横川駅）
懐かしい土釜がトレードマーク
信越本線、群馬の横川駅名物として名高い益子焼の土釜に入った釜めしは、「温かい駅弁が食べたい」という客の声から昭和33年に誕生。醤油と昆布だしで炊き上げた茶めしと、タレが絡んだ鶏肉はじめごぼうや椎茸など9種の具材も変わらぬ味。1,400円。軽井沢駅、安中榛名駅、新宿駅エキナカ直営店でも入手可。オンライン通販あり。
（荻野屋 https://www.oginoya.co.jp）
［陶器入り］有田焼カレー（小）（有田駅）
有田駅初の駅弁・土産として人気に
2007年に佐賀の有田駅初の駅弁かつ土産として誕生した、有田焼の器に入った焼カレー。地元で人気のギャラリー&カフェレストラン『有田テラス』のカリーを元に、28種類の薬膳スパイスと佐賀牛をじっくり煮込んで作り上げた。その深みある味でたちまち人気に。写真の器は今年の新作のあじさい柄。1,680円。オンライン通販可。
（プレアデス https://aritayakicurry.com）
［陶器入り］ひっぱりだこ飯（西明石駅）
蛸壺風陶器と真だこに旅気分も上がる
今や全国的な人気を誇る、蛸壺風の陶器に入った兵庫・明石名物。蓋を開けるとまるで蛸が飛び出してくるような、真だこの旨煮の盛り付けもユニーク。ご飯は醤油飯。食べ進めると壺の底に揚げ蒲鉾の蛸天が仕込まれているというお楽しみもある。1,380円。神戸駅、新神戸駅、新大阪駅、東京駅などでも入手可。オンライン通販あり。
（淡路屋 https://www.awajiya.co.jp）
『クロワッサン』1139号より
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