洗濯干しは脱衣所で済ませ、移動を極力少なくする——足腰に負担をかけない暮らし方

股関節をはじめ体をきちんとケアしていても、加齢によって、それまでの住まい方が合わなくなることもある。

「その時になって住環境を変えるのは体力的・精神的に大変。50歳を過ぎたら、今の家で快適に暮らすためにできることを考え始めましょう」（インテリアデザイナー・小野由記子さん）

「家事も、元気なうちに負担が少ない方法にシフトチェンジを」と話すのは、知的家事プロデューサーの本間朝子さん。

「家事が手間なくできれば続ける気になり、むしろ心身には良い影響が。それに、動線を良くしたり収納を整えたりすることは、転倒などの事故を防ぐ一助にもなります」

重い洗濯物を持って階段を上がり、ベランダまで運ぶのは、危険だしけっこうな重労働。

「少人数分なら、換気をしっかりしつつ、洗濯機のある脱衣所まわりに干せば充分。タオルハンガーを利用したり、洗濯機の上に突っ張り棒を渡して干し場作りを」（本間さん）

タオルハンガーや突っ張り棒の場所が確保できなければ、「低い位置で干して天井近くまで上げられる、昇降式の物干しを設置する手も。施工が必要ですが、比較的簡単に取り付けられる場合もあるので検討しては」（本間さん）

「靴下や下着は、浴槽の上に広げるネットでの乾燥が便利」（本間さん）。

「タオルウォーマーもおすすめ。下着程度なら掛けておくとすぐ乾くし、脱衣所全体が暖まるのでヒートショックの不安も減らせます」（小野さん）

リビングなどの生活空間に洗濯物を干すなら、温風が吹き出す衣装ケースの中に衣類を吊して乾燥させる、コンパクトでスタイリッシュな衣類乾燥機も利用価値大。少量の衣類を早く乾かしたいときや、梅雨時にも活躍する。