無駄に疲れていませんか?掃除の常識をアップデート。
イラストレーション・丹下京子
手入れの頻度が低い家電に替える。
「我が家は、汚れを集めて捨ててくれるエアコンに替えたことでかなり負担が減りました。掃除機も紙パック式なら掃除機自体を洗わずに済むし、トイレも掃除が楽になるタイプがあります。わざわざ新調する必要はないですが、壊れたり長く使っていた家電を買い替えるタイミングで、掃除の手間がなくなるものを選ぶのも手」(島本さん)
掃除機を軽量小型にする。
昔ながらの大きい掃除機を壊れないからと使っていると、掃除自体が面倒になる。
「例えば2階建ての家なら、小型で軽いコードレスを2台、1階と2階どちらにも置くだけで掃除のハードルはぐっと下がります」(島本さん)
「洗面所は髪の毛やほこりが多いので、専用の掃除機を壁に掛けておくと手軽ですよ」(河野さん)
衛生面は昔よりも厳しく。
なんでもかんでも手を抜いていいわけではない。
「昔は今ほど気温が高くなかったので、衛生面はあまり気にしませんでした。今は雑菌の繁殖も早く、食中毒も起こりやすくなっているので昔より厳格に。キッチンスポンジや布巾は毎月新品にしてもいいぐらい。冷蔵庫の取っ手も汚れているので重曹水で拭き掃除を」(島本さん)
きれいを保ちにくいものは使い捨てに。
使うたびに汚れるようなものは、最初から使わない。
「例えば浴室の排水口の受け皿。ぬめったゴミや髪の毛が絡まり触りたくないですよね。私は受け皿自体を撤廃して、使い捨ての排水口ネットを付けています。こういった便利なものは、〝掃除をしなきゃいけない〟という観念からも解放されるので気が楽になります」(河野さん)
たくさんの鍋やボウルはいらない。
重い鍋や鉄のフライパンは、ただ持っているだけなら一回手放してみると掃除が楽になるかも、と島本さん。
「年齢とともに食べるものも生活スタイルも変わってきます。用途別に揃えた鍋やボウルなどが、使うたびにシンクを占領したり洗い物として溜まってしまうケースも。掃除しやすさの観点からも見直しをしましょう」
ウエスを作りすぎない。
掃除に活躍するウエスだが、作りすぎには注意。
「昔の人は使い古したタオルや布製品を全部切って掃除用として保管していましたが、今の家は古民家のように収納スペースがたくさんあるわけではないので、かえって片づかないし使いこなせないことも。布を切ったりする労力を考えると、ストックは最小限に」(河野さん)
拭いたらすぐ捨てる、洗う。
「水拭きはさっぱりしますが、濡れた台ふきんや雑巾は、とにかく雑菌が繁殖しやすく清潔に管理するのが大変。私は家のあちこちにウエットティッシュを置いていて、ちょっと汚れを見つけたら拭いて捨てています。浴室はバスタオル、洗面所はフェイスタオルで拭き、洗濯機で洗う。煮沸消毒の手間がいりません」(河野さん)
床置きせずに浮かせる。
島本さんが最近注目しているのは〝浮かす〟アイテム。
「洗面所は引き出しなどに掛けられるゴミ箱にすると、掃除機やワイパーをかけるときにいちいち持ち上げなくて済みます。コップも浮かせて置けるものだと設置面がぬめるのが防げる。ほかにも、壁付けタイプのトイレ便器など、床置きしないものを選べば掃除は楽になります」
『クロワッサン』1128号より
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