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片付けのプロで文筆家の青木美詠子さんが吟味した、掃除と家事を支える道具たち。

料理上手、暮らし上手の文筆家、青木美詠子さんが、たしかな目利きで選んだ道具を見せてもらいました。それぞれ手放せないものには、納得の理由があります。

撮影・徳永 彩(KiKi inc.) 文・黒澤 彩

“好きな道具があれば家事の気分も上がります。”

文筆家 青木 美詠子さん
文筆家 青木 美詠子さん

郊外の一戸建てで夫と暮らす、エッセイストの青木美詠子さん。9年前に新築し、夫婦の終の住処になり得るこの家を暮らしやすく整えてきた。

じつは整理収納アドバイザーの資格を持ち、片づけのプロでもある青木さん。掃除用具をはじめ、道具や家電はじっくり吟味して選んでいるそう。

「あらためて思い起こしてみると、新たに道具を買うときって、いつもの家事で不便を感じたときではないかと思います。掃除をしていて、『ああ、この隙間にもっとピッタリ入るブラシがあればいいのに』だとか、『ガラス拭きって、もっと簡単にできないの?』という経験から始まる気がします」

便利な世の中、ネット通販であらゆるものを買えるのはもちろんのこと、すでに買った人の口コミやメーカーが発信する製品情報も見られるので、大いに参考にしている。

「デザインも美しいほうがいいのですが、やっぱり機能を重視しているので、使い勝手やメンテナンスのしやすさ、しっかりとした作りかどうかなどを口コミで探りつつ、値段との兼ね合いで検討します。ただ、どんなに評判がよくても、結局は自分で使ってみなければわからないことも多いです」

どうしてもニーズに合ったものが見つからず、掃除のたびに小さなストレスを感じることも。そんなときは、アイデアの見せどころ。ないものは作ればいいじゃないか! 針金の先に布を引っかけて使える掃除用具は、自作のお気に入りだ。

「友人の引っ越しを手伝った際、そこにあった針金を持ちやすい形に曲げて、アルミテープを巻いて固定しただけのものなんですが、これ、すごく使いやすいんです。サッシの隙間など、それまで竹串が折れたりしながら苦心していたところを、俄然ラクに、効率よく掃除できるようになりました。いまや、私の掃除に欠かせない相棒です」

不便さを諦めない! 工夫次第で家事はラクになる。

もうひとつのアイデアが、コーヒーミル用のブラシを、部屋掃除に転用したこと。掃除用ブラシはどれも同じに見えて、毛ゴシの強さ、しなり具合などが大事なのだそう。

「私はブラシ好きなので、人一倍こだわりが強くて(笑)。このブラシは理想の1本。巾木の上など細いところを掃除するのにちょうどいいです」

青木さんの掃除に欠かせない2点。ブラシは、夫がコーヒーミルの掃除用に買って使わずにいたのを活用。自作の針金の道具はすでに14年も使っている。
青木さんの掃除に欠かせない2点。ブラシは、夫がコーヒーミルの掃除用に買って使わずにいたのを活用。自作の針金の道具はすでに14年も使っている。

使い心地がよくないものを我慢してやり過ごさずに探求する姿勢が、ストレスのない家事につながっている。

家事の動線が、家づくりのポイントでもあった。洗面所は、洗面シンク→洗濯機→ガス乾燥機を横一列に並べたことで、洗濯がスムーズに。

「当たり前のことと思われるかもしれませんけれど、前の家では洗面所にガス乾燥機を置けなくてかなり不便でした。家事動線の無駄がなくなるだけで、ずいぶんラクになるものだなと実感しています」

家事を助けてくれる便利なものは積極的に取り入れたい。とはいえ、便利さに慣れすぎてしまうのにも、ちょっとした抵抗感が。

「たとえば家事代行サービス。とても便利なものだとわかっていますが、年金生活になれば、お金を払って日常の家事をしてもらう家計の余裕などないかもしれません。どうにか簡単な道具で自分の家事スキルを上げておくのもひとつの安心なのかなと思います」

でも、家が築10年を迎えたら自力ではダクトの奥まで手が届かない換気扇の掃除を業者にお願いしてみるつもり、と青木さん。道具の力はもちろん、人の力を借りることも増えていくのかもしれない。

「まだ、外の塀に上がって壁掃除できるくらいには元気です。気力、体力のあるうちは、手軽な道具を駆使しながら家事を楽しみたいですね」

電子レンジで簡単、手早く半熟卵を作れる。

片付けのプロで文筆家の青木美詠子さんが吟味した、掃除と家事を支える道具たち。

〈ダイソー〉で購入したもの。容器に水と卵をセットし、電子レンジ約1分20秒で半熟に。「時短調理できておすすめ。好みの半熟加減にするのに、ちょっと調整が必要です」

塩麹づくりにも重宝する甘酒メーカー。

片付けのプロで文筆家の青木美詠子さんが吟味した、掃除と家事を支える道具たち。

材料を入れてスイッチひとつで自家製の甘酒やヨーグルトなどが作れる〈ナカサ〉の甘酒メーカー。容器は1Lサイズ。「最近はもっぱら塩麹づくりに使っています」

味噌づくりの強力な味方! 電動ミンサーを導入。

片付けのプロで文筆家の青木美詠子さんが吟味した、掃除と家事を支える道具たち。

〈福農〉の電動ミンサーは、年に一度、味噌づくりで大豆をつぶすために購入。「挽き肉もできますが、内部の掃除が少し億劫で味噌専用に。もう、なくてはならない存在です」

簡単にきれいに研げる。電動式を買って大正解。

片付けのプロで文筆家の青木美詠子さんが吟味した、掃除と家事を支える道具たち。

〈シェフスチョイス〉の電動式包丁研ぎ器。「砥石だと、うまく包丁を研げなかったので、思い切って電動式を購入。ちょっと高価ですが、買ってよかったです」

生活動線を考えた家づくりで、家事がスムーズに。

片付けのプロで文筆家の青木美詠子さんが吟味した、掃除と家事を支える道具たち。

ベランダに干して取り込んだ洗濯物を、一時的に掛けておけるポールを室内に設置。

片付けのプロで文筆家の青木美詠子さんが吟味した、掃除と家事を支える道具たち。

念願だった洗面所の横一列の動線。ガス乾燥機は青木さんが譲れない家電の一つで、賃貸では洗面所に排気口がなく、仕事部屋に置いていたそう。

この2つで完結。優秀な窓掃除セット。

片付けのプロで文筆家の青木美詠子さんが吟味した、掃除と家事を支える道具たち。

水で濡らして網戸をさっと撫でるだけの〈セイエイ 取り替え式あみ戸びっクリーン〉と、〈テラモト〉のワイパー。「窓は布で拭くよりワイパーのほうがずっと早い。14年ほど愛用中」

日々の風呂場の掃除、三種の神器。

片付けのプロで文筆家の青木美詠子さんが吟味した、掃除と家事を支える道具たち。

右から、スクイジーの後で水気を拭く大判薄手の〈白雪ふきん〉、使いやすいスクイジー〈バスボンくん水切りワイパー〉、カビ取りジェル〈かびとりいっぱつ〉はにおいが抑えめでいい。

  • 青木 美詠子

    青木 美詠子 さん (あおき・みえこ)

    文筆家

    整理収納アドバイザーの資格を持ち、自宅で片づけ、冷えとりなどのセミナーを不定期で開催している。著書に『あおきみさんち、家を買う。』などがある。

『クロワッサン』1125号より

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