「 テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」東京ステーションギャラリー【青野尚子のアート散歩】
文・青野尚子
「ライフスタイル」を提唱したデザイナー。
日本でも1994年に開店した「ザ・コンランショップ」で名を知られるサー・テレンス・コンラン。デザイナーとして、また起業家としてイギリスのモダン・デザインを牽引した彼の生涯を振り返る展覧会が開かれている。
1931年生まれのコンランは1940年代末からデザイナーや家具の作り手として活動を始める。1964年に商品を販売するだけでなくライフスタイルを提案する、当時としては画期的なショップ「habitat(ハビタ)」の一号店を開店させた。
1973年、ロンドンに「ザ・コンランショップ」一号店をオープン、またカジュアルなカフェから高級レストランまで50以上の店舗を手がけ、モダン・ブリティッシュと呼ばれる新しい料理スタイルを生み出した。寂れた倉庫街を再生し、賑わいを創出するといった事業も手がけている。
1989年には世界に先がけて、ロンドンのシャッドテムズ地区にデザイン・ミュージアムを創立した。現在、このデザイン・ミュージアムは規模を拡大して移転しており、デザイン文化の教育普及に大きな役割を果たしている。
展覧会には彼がパターンをデザインした食器やテキスタイルなどの初期の仕事や家具デザインの模型、インスピレーション源でもあった愛用品などのほか、写真や映像などが並ぶ。コンランに影響を受けた人人のインタビューも。今も私たちの暮らしを彩る彼の業績をたどる。
コンランはロンドンのセントラル・セント・マーチンズの前身となる学校で学び、バウハウスやアーツ・アンド・クラフツに影響を受けた。1983年に英国王室より叙勲、サーの称号を得る。経営者としても手腕を発揮し、西新宿に日本で初めて出店した『ザ・コンランショップ』は30周年を迎えた。
『テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする』
開催中~2025年1月5日(日)
●東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内1・9・1)
TEL.03・3212・2485 10時~18時(金曜〜20時) 月曜休
入館料一般1,500円ほか
開催中~2025年1月5日(日)
●東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内1・9・1)
TEL.03・3212・2485 10時~18時(金曜〜20時) 月曜休
入館料一般1,500円ほか
『クロワッサン』1128号より