義母に先立たれ、毎日のように死にたいという義父【信田さよ子さんのお悩み相談室】
さまざまな人生の悩みは、どうすれば解決できる? 公認心理師でカウンセラーの信田さよ子さんに、具体策を聞いた。
撮影・イラストレーション・椎木彩子 文・長谷川未緒
残された義父
義母が亡くなったあと義父が落ち込んでしまい、毎日のように死にたいと夫に電話してきます。夫は最初こそなぐさめていたものの、父親の様子に悲しみと怒りが合わさり「死んでしまえ」と冷たくあたることも増えてきました。私が代わって慰めることもありますが、正直、どう接したらいいのかわかりません。(60代・パート勤務)
父親のネットワークを作る情報を集めてサポートを。
高齢で妻を亡くして、寂しいのはわかります。ですが子どもたちになぐさめてもらおうと、そんな電話をしてくるのはいけません。
「死んでしまえ」は良くないけれど、「このままでは、自分たちはお義父さんをサポートできない」とはっきり伝えましょう。そして同世代や同じような境遇の人たちとつながって、自分自身で喪失をケアできるようなネットワークを作ってもらうようにしてください。
たとえばお住まいの自治体に、大切な人を亡くされた方向けの相談窓口はありませんか? ご相談者の居住地がわかりませんが、首都圏ならばだいたいあります。自治体になければ電話相談でもいいですし、専門のクリニックを受診するという手もあります。グリーフケアなどのワードで調べると見つかるので、相談するよう促しましょう。
お義父さまが自分だけでは行動できないようでしたら探してあげて、場合によっては一緒に行ってあげてもいいですね。甘えさせるのではなく、立ち直るのを応援してあげてください。
『クロワッサン』1123号より