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松本潤・長澤まさみ・永山瑛太が舞台初共演。NODA・MAPが描き出す、3兄弟と父殺しの物語。

撮影・相馬ミナ 文・小石原はるか

NODA・MAPが描き出す、3兄弟と父殺しの物語。

野田秀樹(のだ・ひでき)さん●劇作家、演出家、役者。1955年、長崎県生まれ。1976年、東京大学在学中に「劇団 夢の遊眠社」を結成。’92年、 解散。’93年に「NODA・MAP」を設立し、精力的に活動を続ける。2009年10月、名誉大英勲章OBE受勲。2011年6月、紫綬褒章受章。
野田秀樹(のだ・ひでき)さん●劇作家、演出家、役者。1955年、長崎県生まれ。1976年、東京大学在学中に「劇団 夢の遊眠社」を結成。’92年、 解散。’93年に「NODA・MAP」を設立し、精力的に活動を続ける。2009年10月、名誉大英勲章OBE受勲。2011年6月、紫綬褒章受章。

キャストと作品の概要が発表になるや、いつにも増して注目を集めたのが、野田秀樹さん率いるNODA・MAPの最新作『正三角関係』だ。松本潤・長澤まさみ・永山瑛太が舞台初共演。そしてモチーフとなるのは『カラマーゾフの兄弟』。文豪・ドストエフスキーの「最高傑作」と評する人も多い作品をモチーフに選んだ理由を野田さんに聞くと、

「今回は最後の場面のイメージが最初に浮かび、そこに向かっていくためにはどの作品を“入り口”にするのがいいだろうか?と考えた結果です。父殺しの物語ですから、大事な“殺したくなるような父親”として竹中直人さんがハマる、という目論見もありました」

劇場に足を運ぶ観客を驚かせたいという思いから、事前情報を最小限にするのはNODA・MAPの常だ。

あらかじめ発表されたわずかな情報のひとつが「日本のとある場所のとある時代に生きる花火師の家族」の物語であること。その長男を演じるのが、NODA・MAP初参加の松本さん。しかも、舞台作品への出演は13年ぶりだという。実は故・中村勘三郎さんを通じて20年前から交流があり、過去にワークショップにも参加してきたという。

「彼は単なる爽やかなアイドルではなく、バタ臭くてイヤ〜な感じも出せる(笑)から、父親を殺したと疑われる男、という役に非常にハマった。でも、本人の実像は真面目で純粋。今回、稽古を通じてそんな一面に驚かされたりもしています」

長澤さんは、演者が4人のみの緊密な野田作品、『THE BEE』(2021年)を経て、大規模な公演へは初参加。

「こちらの予想とは全然違う表現をしてくることもあるけれど、決してその場の思いつきではなく、全体を俯瞰してきちんと計算している」

そして『MIWA』(2013年)、『逆鱗』(2016年)に続き3度目の参加となる永山さんには「僕が重きを置く、声や立ち姿が印象に残る役者で安心感がある」と、全幅の信頼を置く役者たちが揃った。

「それぞれの役に、3人が思ったとおりにハマっていて安心しています。特に、予想を大きく上回ったのが(松本)潤。皆さん、あんまり期待していないかもしれませんが(笑)」

なお、今作については『カラマーゾフの兄弟』をネットや漫画で予習して「わかった気になって観にくるのが、心に最も危険です」という野田さんからの注意事項アリ。付け焼き刃の知識は持たずに、スリリングな作品の世界に没入したい。

「もう少し種明かしをしてもいい気もしつつ……、答えは劇場で」

NODA・MAP第27回公演 『正三角関係』

松本潤・長澤まさみ・永山瑛太が舞台初共演。NODA・MAPが描き出す、3兄弟と父殺しの物語。

松本潤、長澤まさみ、永山瑛太の3人に加え、村岡希美、池谷のぶえ、小松和重、竹中直人らNODA・MAP作品でもおなじみの演技巧者たちが勢揃い。公演中〜8月25日(日)、東京・東京芸術劇場プレイハウス、S席1万2000円ほか。9月5日(木)〜11月2日(土)まで、大阪、北九州、ロンドン公演あり。全公演にて当日券あり。

『クロワッサン』1122号より

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