東京・新大久保で楽しむネパール旅。本場の味をハシゴして楽しもう。
日本人向けでない現地仕様の料理を味わえば、旅の高揚感も得られるはず。
次の週末は、アジアを感じる新大久保へ。
撮影・田尻陽子 構成&文・熊坂麻美 地図製作・竹中聡司
新大久保でネパール旅
独特の熱気と雑然とした魅力が満ちる街・新大久保。
韓国のイメージが強いが、ハラルフードの食材店が軒を連ねる「イスラム横丁」が賑わい、ベトナムやタイなどアジア各国の料理店が入り交じって、年々多国籍度を増している。
近年は在日ネパール人の増加とともに「リトル・カトマンズ」化が進み、ネパール料理店が拡大。
それも従来多かったインド料理メインの店ではなく、豆スープとご飯のセット「ダルバート」や蒸し餃子「モモ」、民族色の強い郷土料理で勝負する純度の高い店が主流だ。現地の風を感じる味をあちこちハシゴして楽しみたい。
\見つけた!寄り道スポット/
アジアンマート ●東京都新宿区北新宿1・13・18
サライ ケバブ大久保駅前店 ●東京都新宿区百人町2・23・1 大久保ビル1F
ネパール民族料理アーガン
●リトル・カトマンズを代表する生粋のネパール料理店。
ネパールの少数民族、タカリ族とネワリ族の家庭料理を供するレストランとして人気。
干し飯とカレーに豆やジャガイモの和え物、漬物を組み合わせたネワリセット、カレーや豆スープ、乾燥発酵野菜の漬物をごはんと食べるタカリセットには、民族の特徴的な味が凝縮されている。
タカリセットは辛さが控えめで、その分スパイスの深みが広がる優しい味わい。「これが本場の味。素材を生かす和食と近しいものを感じます」とマネージャーのサドギさん。
ピリ辛の炒め物や乾燥マトン料理などをアテに、現地のビールや伝統のひえ焼酎を傾ける楽しみも。仏塔ストゥーパや調度品に囲まれてネパールの味を堪能しているうちに、旅気分が募り日常の喧噪が遠のいていく。
●東京都新宿区大久保2・32・3 リスボンビル4F
TEL.03・6233・9610
営業時間:11時~24時(23時LO) 無休
ハングアウト
●昨年誕生したニューフェイス。確かな味でファンを獲得中。
大久保駅から5分ほど歩いた大久保通り沿い。ネパール料理店がひしめくエリアの注目株がこちら。カレー&ナンやビリヤニなどのインド系料理も揃えるが、まっさきに食べたいのはネパールの定食ダルバート。
ネパールのハーブ、ジンブーやギーを利かせた豆カレー、旨みの濃いマトンカレーをメインに、スパイシーな炒め物タルカリ、青菜炒めのサグ、トマトの漬物アチャールをカレーに混ぜて食べると、各々が引き立てあって文句なしの味に。
料理長が推すポークサデコは、カリッと焼いた豚バラ肉と野菜をスパイスやチリペースト、ごま油やレモンなどで和えた料理。
肉の旨み、絶妙な塩気、辛味と酸味が渾然一体となった爽快な美味しさで、お酒の相棒にもってこい。
●東京都新宿区北新宿3・4・5
TEL.03・6770・7795
TEL.11時~23時(22時30分LO) 無休
バラヒ フード&スパイスセンター
●新大久保にネパール文化を根付かせたパイオニア。
「イスラム横丁」の入り口にある『バラヒ』は2008年にネパール人のギミレさんが始めた食材店。
この店の登場を機に都内近郊のネパール人が界隈に集うようになり、2010年にネパール料理専門店の元祖『ネパール居酒屋 モモ』を同じビルの2階に開店。
この2つの店が街のネパール文化の醸成に深くかかわっている。
バラヒでは現在、日本語堪能なギミレさんの息子たちも店頭に立ち、ネパールやインド、パキスタンなどのスパイスや豆類、お菓子、野菜やヤギ肉などが所せましと並ぶ。
なかでもチェックしたいのが、冷凍のネパール餃子モモと大根の漬物アチャール、ネパールのお菓子ラドゥやジェリ。いずれも『ネパール居酒屋 モモ』で手作りするここだけの味だ。
●東京都新宿区百人町2・10・9
TEL.03・3363・1145
営業時間:10時~23時 無休
『クロワッサン』1079号より