市川染五郎さんが歌舞伎座で初の主演。『魂を削るような表現をしたい。尊敬する祖父のように』
文・クロワッサン オンライン編集部
17歳の染五郎さん、これが初めての単独記者会見。少し緊張ぎみの面持ちながら、キリリと整った一文字の眉、伏せがちな目もとに落ちる長いまつ毛の影は、まさに眉目秀麗。合同取材ではひとつひとつの質問を丁寧に咀嚼するように、自分の言葉で答える様子が印象的でした。
――NHK大河ドラマ(木曾義仲の嫡男・義高を好演)に出演しての反響や感想は?
「たくさんの方が見てくれるものに出演できてよかった。義高も今回の信康も、若くして悲劇的な道を辿ることが似ている。若い年齢でそれだけの覚悟を持って生きなければならない人物を映像で演じられたことは、とても良かったと思います」
――歌舞伎座で主演を張ることについての思いは?
「主役でも脇役でも、舞台を勤める気持ちは変わらないので、いいものをお見せしたいです」
――祖父・松本白鸚さんとの共演になるが、何かアドバイスがありましたか?
「祖父は『自分のことで精一杯なので頼らないでくれ』と(笑)。どこまで本気かはわかりません」
その白鸚さんからはメッセージとして「平成19年、初お目見得で手を引いて舞台に出てから15年、夢の様です。信康はむつかしい役で勉強になると思います。一日一日魂を込めて勤めてほしく思います」との言葉が届いた。染五郎さんもそれに応えて、
「祖父は、歌舞伎でも他でも、魂を削るような表現をしている。とても尊敬しています。同じ舞台に立たせてもらえるのはとても有り難い。自分も祖父のように、魂を削るような表現で信康を演じられたら」。
染五郎さん主演の『信康』は六月大歌舞伎の第二部。問い合わせはチケットホン松竹0570・000・489、チケット購入はチケットweb松竹で。
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