賃貸部屋でもここまで変えられる!簡単DIYで作る、理想の住まい。
撮影・中島慶子 文・樋口可奈子
賃貸物件でもここまでできる、DIY実例。
理想のインテリアは頭の中にあっても、賃貸物件ではなかなか簡単に実現できないもの。デッドスペースをもっと生かしたい、好みの飾り棚を付けたいという願望も、原状回復というルールの前に諦めざるを得ない。
だが、ちょっとした工夫でそんなハンデを乗り切る人も。DIYアドバイザーのEHAMIさんは、結婚以来ずっと賃貸暮らし。引っ越しや出産を経ながら、ライフスタイルに合わせて家具や収納を自作してきた。といってもその技は「既製品をフル活用」 「木をコの字に組む」など、簡単そうなものばかり。
「原状回復できるDIYを選んで、インテリアを楽しんでいます」
と言うEHAMIさんに、最小限の道具でできる賃貸向けDIYを教わった。
既製品をフレームでジャストサイズに。
店頭で見つけた収納ケースやチェスト。「家のあのスペースにぴったりでは」と思って買ったものの、置いてみたら微妙な隙間ができてしまった……。そんな経験を持つ人も多いのでは。
「サイズの微調整は、板をコの字に組んで作ったフレームを上から載せて解決しました」
ケースにキャスターを付ければ、ワゴンのように前に引き出しても使え、掃除もラクラク。
■洗面所の収納チェスト
洗面所に収納がなかったので、引き出しケースを置いて下着やパジャマ入れに。そのままでは隙間ができてしまうためコの字フレームを。プラケースのチープ感も薄まり、メイク台にもなって便利。
■キッチンカウンター
コの字フレームの大型版。既製の木製キャビネットにキャスターを付け、これがぴったり収まる高さのカウンターを自作した。水回りで使用するため、天板はウレタンニスなどで塗装してカビ予防。
「ここに あったらいいな」を自作する。
多少不便でも「賃貸物件だから仕方ない」とつい我慢しがちなのが、収納不足の悩み。デッドスペースを有効活用することで、使い勝手は格段に上がる。
「壁に背板を直接は打てませんが、突っ張りアジャスターで立てた柱になら打つことができます。ほかにも、パテできれいに埋められる程度の小さな穴で吊り下げ収納できるフックなど、パーツを工夫すれば収納の可能性は広がりますよ」
ちょっとしたテクニックと便利アイテムで、毎日が快適に。
■押し入れをワークスペースに改造
押し入れは襖戸を外して上段をEHAMIさんのワークスペースに。左半分に文具や書類、プリンターを収納。右半分は無印良品の引き出しにごちゃごちゃしがちな工具や日用雑貨を収めている。押し入れの横は幅約90cmのデッドスペースだったので、外した襖戸を立てかけ、突っ張り柱と有孔ボードを組み合わせて目隠し収納。さらに手前にIKEAの扉付き棚を付け、壁紙や木材などの資材置き場にした。
ワークスペース右手のスライド式棚も自作。ネジなど金具類の細かいものはケースに仕分け、よく使う工具は吊るして収納。木材を直角に固定するコーナークランプなど、DIY用の道具が揃う。
■玄関に大型の収納棚
備品の小さい下駄箱は撤去し、ベランダで保管。ベビーカーも置ける大型オープン収納に。直接ビスは打てないので、突っ張りアジャスターで柱を立て、それに背板を付けた。
■洗濯機上の収納棚
洗濯機上にある自作の棚は、ホチキスだけで家具を固定できる金具「壁美人」で設置していて、原状回復可能。有孔ボードの引き戸付きで洗剤などを見えないように収納できる。
用途に応じたピンポイント収納。
毎日使うものやデザインが気に入っている家電などは、見せる収納にするのも一つの手。
「子どもが取りやすいようにタオルを置きたくて、洗濯機横のデッドスペースに縦にバーを設置しました」
賃貸物件は大きな穴が開けられないので、画鋲程度の穴でもしっかり取り付けできるパーツを使用。
「退去時の補修まで考えたDIYを。100均で売っている補修用パテでもきれいに修復できますよ」
■ドライヤーラック
極細のピンでしっかり固定させる補強パーツ「ナゲシレール ブラケット」で取り付けた背板に、ドライヤーの本体部分がぴったりはまるように糸のこで丸く穴を開けた板を垂直にビスで留めて完成。
■アイアンバーでタオル収納
インテリアに合わせグレーに塗装した「セリア」のアイアンバー。これを縦に2本並べると、丸めたタオルの収納にぴったり。タオルは軽いので、バーの固定には石膏ボード用の3本ピンで。