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【山田ルイ53世のお悩み相談】夫以外の男性を好きでい続けたいと思ってしまっています。

お笑いコンビ髭男爵のツッコミ担当で、作家としても活動中の山田ルイ53世さんが読者のお悩みに答える連載。今回は夫以外の男性を好きになってしまい、今後もその思いを持ち続けたいと願う女性からの相談です。

撮影・中島慶子

<お悩み>

既婚で二人の子どもがいます。
夫以外の人を好きになり、3年以上経ちますが、想いが募って辛いです。彼のことばかり一日中考えてしまいます。

相手の方にも妻子があります。私の一方的な片思いなら諦めがつくのかもしれませんが、彼もお互いの立場を理解した上で好意的に接してくれます。立場上、告白こそしていませんが、好きな気持ちを隠していないので、私の好意は彼に充分伝わっていると思います。彼も私に好意を持ってくれているように感じます(自意識過剰ですみません……)。お互いに対面で会う以外は連絡もとっていません。しかも頻繁に会える環境にはありません。

2年前、ふとしたきっかけから夫に私の気持ちがばれてしまいました。修羅場となりましたが、不倫行為をしているわけではなく、夫婦関係は一応落ち着きました。好きな人がいても、それ自体悪いことではないと言ってくれました。表面上は仲良くやれています。でも、以降その話題はタブーで、わだかまりが残り、心からの信頼は失っています。私も子ども達は大事ですし、夫にはそれなりの情があります。

世間の不倫への風当たりは凄まじく、芸能人の不倫ニュースなどは耳を塞ぎたくなります。不倫は全ての人を深く傷つけてしまうことは事実です。このままが一番幸せなんだろうと思います。わずかな時間ですが、彼と笑顔で会話したり、見つめ合ったりくらいで我慢していますが、どうしても今以上の関係を望んでしまいます。罪深いですよね。

諦めるために、他に夢中になれることを探すとかすればいいんでしょうが、彼を好きでいたいんです。辛い反面、彼の事を想うと幸せなんです。

そう遠くない未来に、彼とは異動で会えなくなってしまうと思います。そのことを考えるとやるせない気持ちになります。
終わりがくれば、辛いけれどそれで良かったと思える日がくるんでしょうか?

ちょっぴり辛口に答えてくれそうな山田さんに、愛あるアドバイスをいただけたらと思います。

(sara/女性/30代、会社員、既婚、二人の子どもがいます。)

山田ルイ53世さんの回答

「夫以外の人を好きになり、想いが募って辛い」と仰るsaraさん。

「彼のことばかり一日中考えてしまう」「彼と会話し、見つめ合ったりする」「彼を好きでいたい」「辛いけど、彼の事を想うと幸せ」……もはやラブレターのような相談者の文面に思わず此方まで赤面してしまいます。

もうかれこれ3年もの間続く彼への気持ちは、相談者からの一方的な片思いではないとのこと。

しかし、「彼も私に好意を持ってくれているように感じます」と“感じる”レベル。

相談者自身、“自意識過剰”と自認されているように、明確な意思表示は先方からはないご様子。

相談者は、告白こそしていないが、好きだという気持ちを隠してはいない。

にもかかわらず、僅かな時間会話し、見つめ合う程度で、連絡も取らず頻繁に会える環境にもない。

それも、ほどなく彼の異動でなくなりそう……これってどうなのでしょうか。

今以上の関係を望んでしまうと仰いますが、お相手(と言っていいのか分かりませんが……)はどうなのでしょう。

正直、両想いなら、もっと進展があっても良いように思います。

併せて、2年前、旦那さんに露呈した“ふとしたキッカケ”というのが、どれくらい“ふとしていたのか”も気になるところですが、文面からは窺い知ることは出来ません。

とは言え、ひと様の恋路にも家庭にも口を出す気はsarasara、もとい、更々ありません。

“告白こそしていない”、“不倫関係ではない”と仰いますが、逆に言えば、だからこそ今のトキメいた、甘酸っぱいシチュエーションを享受出来ているのではないでしょうか。

要は、何かこれ以上のアクションを起こした場合、お互い家庭もあることですし、前提条件が変わり、もっとドロドロしたものに変質してしまうような気もします。

筆者は、恋愛マスターでは無いので、
「いや、恋愛感情に忠実に、彼と駆け落ちするべきだ!」
とも、
「家族を大事にこのまま……」
とも言いません。

いや、言えません。

どうにも言いかねるのですが、「不倫行為(不貞行為?)」が無かったこと、要は肉体関係が無かったことを徳俵とし、悲劇のヒロイン、自分が主人公の清い物語に酔っている……そんな風にも見受けられます。

「好きな人がいても、それ自体悪いことではないと言ってくれた」という旦那さん。

いや、“言ってくれた”などと、甘えている場合ではありません。
勿論、本心ではないでしょう。

自尊心を守るため、それくらいしかいえなかった、と言ったところではないでしょうか。

大体、人間、「それ自体悪くない」などという物言いをする際は、「でも感情的には許せない」と言っているに等しいことが多い。

実際、「以降その話題はタブー」とわだかまりは残っているし、心からの信頼は失っているとのこと。
当然でしょう。

ちなみに、筆者の父が職場の部下と浮気した際は、我が家も修羅場になりました。
母は荒れ狂い、長い間、父を許せず、いっときは別居もしていましたが、今は仲良く暮らしています。

結局は、当人同士のことに周囲を巻き込まない、ということでしょうが、家族である以上、特に子供は影響を受けざるを得ない。

願わくば、それを最小限になるよう、立ち回って頂きたいものです。

山田ルイ53世●お笑いコンビ、髭男爵のツッコミ担当。本名、山田順三。幼い頃から秀才で兵庫県の名門中学に進学するも、引きこもりとなり、大検合格を経て愛媛大学に進学。その後中退し、芸人へ。著書に『ヒキコモリ漂流記』(マガジンハウス)、『一発屋芸人列伝』(新潮社)、近著に『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版)。
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