【口内炎】できてしまったら一日も早く治したい。 そのために気をつけるべきことは?
しゃべるだけで痛い、食事がシミる。口内炎は身近なだけに軽視しがち……。東京銀座シンタニ歯科口腔外科クリニック院長で歯科口腔外科医の新谷 悟さんに口内炎について話を聞きました。
撮影・黒川ひろみ 文・大澤千穂
口内炎を早く治すために最も必要なことは「よく身体を休めること」だ。
「口内炎で休養というと大げさと聞こえるかもしれませんが、安静にすることで傷口の治りが早くなります。そしてぬるま湯で口をゆすぐなどして、常に傷口を清潔に保つことも重要」
この間、自然治癒の妨げになる刺激物の摂取は避けておきたいもの。
「辛いものや熱いもの、喫煙や飲酒も患部を刺激します。お酒にはアルコール消毒のイメージがありますが、逆に傷口の細菌に含まれるたんぱく質を凝固させて治癒を遅らせる可能性が。アルコール入りのうがい薬も避けたほうがいいでしょう」
うがい薬を使う時はアルコールフリーで刺激の少ないものを選び、最後は水やぬるま湯でしっかり洗い流す。
「通常口内炎は2週間ほどで治りますが、長引いたり繰り返す時、また広範にできた時は歯科へ。口内炎に似た症状で違う病気が隠れている場合もあるので専門医の受診をおすすめします」
まずは刺激物を避け、よく休むこと。それが完治への近道となる。
「口内炎は体力が落ちているという身体からのサイン。軽く見ずに生活や口腔環境を整える機会としてください」
早く治すための4カ条。
(1)身体を休める。
(2)傷口を清潔に保つ。
(3)こんな場合は病院へ。
2週間以上治らない、何回も繰り返される、症状が広範にわたっている。
(4)これは絶対にダメ!
刺激物、アルコール、たばこ
新谷 悟(しんたに・さとる)●東京銀座シンタニ歯科口腔外科クリニック院長。歯科口腔外科医。愛媛大学医学部助教授、昭和大学顎口腔疾患制御外科学教室主任教授・口腔外科科長などを歴任後、2014年に銀座にクリニックを開業。
『クロワッサン』978号より
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