顔のたるみを引き上げる! 肩、首、背中のマッサージ。
撮影・岩本慶三 スタイリスト・高島聖子 ヘア&メイク・茂手山貴子 イラストレーション・中川原 透 モデル・平川由梨 文・大塚明子
額や目尻にシワが、と思っているうちに、ほうれい線がくっきり。さらに目の下が窪み、あごのラインにもたつきがーー始まったら止まらない。たるみは、時とともに雪崩のように押し寄せてくる、と福辻鋭記さんは言う。
「たるみの一番の原因は筋肉の衰えです。筋肉は鍛えていなければ、20歳頃がピークで、あとは年々衰えます。一方、顔の筋肉は鍛えるのが難しく、皮膚も加齢によって緩むので、その下にある衰えた筋肉や脂肪の重さを支えきれず、どんどん下垂していくのです」
それだけではない。頭皮のたるみが、顔の雪崩たるみに、追い討ちをかける。
「頭皮の下にも、うっすらとした脂肪と筋肉があり、それが顔の方向にたるんで落ちてきます」
頭皮が1ミリたるむと顔が1センチたるむといわれるくらい、頭皮のたるみは顔に深く影響している。
「顔のマッサージをしてたるみが改善されたと喜んでも、すぐに戻ってしまうのは、顔だけをマッサージするからです。頭皮と、それを引き上げている背中に続く筋肉、僧そうぼうきん帽筋も刺激しなければなりません」
僧帽筋は、首の後ろ側から、肩を通って腰の上まで続く大きな筋肉。後頭部で頭皮を引っ張っているほか、首の前面で顔の筋肉を支えているため、僧帽筋が加齢により硬くなったり緊張したりすると、筋力が弱まり、必然的に顔がたるんでくる。
福辻さんの治療院は、モデルや女優が「明日、撮影だから、顔を引き締めて」と駆け込んでくることでも有名。顔だけの施術よりも効果が持続するという。それ、自分でもできませんか。
「簡単な方法がありますよ。顔、頭皮、肩、首、背中を一通り行う必要がありますが、5分もあれば完了します」
また、加齢により内臓が下垂してくることも、顔のたるみの要因になる。そこで、内臓を引き上げる方法も伝授。首や肩の凝りや内臓下垂にも役立つから、毎日続ければ全身の若返りに繋がる。さっそく今日から始めよう!
僧帽筋を刺激し、頭皮を首から腰に引き下げる。
僧坊筋に柔軟性があり、背中で常時キュッと頭皮を下向きに引っ張っていれば、顔の皮膚や脂肪も引き上げられ、たるみのない状態に。ところが、ほかの筋肉同様、僧帽筋も加齢により衰える。
「50代、60代でも、スポーツマンは顔のたるみが少なく、引き締まった顔をしている人が多いですよね。僧帽筋が鍛えられているからです」
「顔の筋肉→頭皮」と行ったマッサージの仕上げは、僧帽筋の引き下げ。血流やリンパの流れが促進されるので、首や肩の凝りにも有効だ。
後頭部に寄せた頭皮を首の付け根に移動させるイメージで撫で下ろす。
1.親指以外の指を耳の裏側あたりの生え際に圧をかけて押し当てる。
2.そのまま真下に向かって、首の付け根まで撫で下ろす。
首の上部から肩先にかけて撫で下ろす。
1.左手の親指以外の指を右耳の裏側 あたりの生え際に押し当てる。
2.圧を加えながら、右の肩先まで押し下げる。反対側も同様に行う。
ウエストラインまで、僧帽筋のゆるみを引き戻す。
1.肩甲骨の下、なるべく上のほうに親指以外の指を押し当てる。
2.圧を加えながら、ウエストラインまで両手を撫で下ろす。
『クロワッサン』932号より
●福辻鋭記さん アスカ鍼灸治療院院長/鍼灸とカイロプラクティックに整体を取り入れた独自の治療法がテレビや雑誌で注目されている。著書も多数。
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