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頻尿、尿もれ、骨盤臓器脱——骨盤底筋を鍛えて、女性特有の困りごとを解消

ここが衰えると頻尿、尿もれのほか、膀胱瘤・子宮脱・直腸瘤といった骨盤臓器脱など、女性の生活に大きな影響を与える「骨盤底筋」。ほぐして鍛える習慣をつけて。

撮影・中島慶子 ヘア&メイク・遠藤芹菜 イラストレーション・タムラフキコ 文・板倉みきこ

どの世代でも、骨盤底筋の劣化を防ぐ必要あり

関口由紀(せきぐち・ゆき)さん 「女性医療クリニックLUNAグループ」理事長。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本性機能学会専門医、日本排尿機能学会認定医。世界標準の女性医療の提供に専心。<a href="https://www.luna-clinic.jp/" target="_blank">www.luna-clinic.jp</a>
関口由紀(せきぐち・ゆき)さん 「女性医療クリニックLUNAグループ」理事長。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本性機能学会専門医、日本排尿機能学会認定医。世界標準の女性医療の提供に専心。www.luna-clinic.jp

骨盤底筋の重要な役割が、排尿や排便など排泄のコントロールに関わっていることはだいぶ認知されてきた。排泄トラブルはQOLの低下に繋がると、長年骨盤底筋トレーニングの必要性を提唱してきた医師の関口由紀さんは、実は高齢者だけでなく、成人女性全員にトレーニングしてほしいと訴える。

「骨盤底筋を劣化させる原因は、加齢だけではありません。出産の経験がある人、座り時間が長い、運動不足、呼吸が浅いなど、骨盤まわりの筋肉が弱体化したり、緊張を助長して逆に硬くする要因はたくさんあります」

骨盤の底の大きく開口している部分にハンモック状に広がり、底を支えているのが骨盤底筋だ。骨盤内の臓器を下支えし、横隔膜などと連動して呼吸や姿勢を支え、体の軸を安定させる。

「個人差はあれど、放っておけば劣化していくものなので、日頃から意識して刺激する必要があります」

頻尿、尿もれ、骨盤臓器脱——骨盤底筋を鍛えて、女性特有の困りごとを解消

柔軟性やしなやかさの維持も大事。

「最近では、単なる筋肉群ではなく、筋膜や靭帯・皮下組織、全てを含むプレート臓器としての“骨盤底”の役割も認識されています。ホルモンの変動で潤いを失いやすい場所なので、骨盤底の中心にある腟付近の保湿が欠かせませんし、硬くなっていたらほぐしましょう。トレーニングで目指すのは、しっかり緩めて締められる骨盤底を作り、維持すること。場所を意識できるようになれば、深く呼吸するだけで刺激できるようになりますよ」

【骨盤底筋はここにあります】女性の骨盤は、男性の骨盤に比べて広く浅く、底の部分は出産や排泄のため大きく開口している。その開口部分を骨盤底筋が覆い、尿道や肛門、腟の穴が開いている
【骨盤底筋はここにあります】女性の骨盤は、男性の骨盤に比べて広く浅く、底の部分は出産や排泄のため大きく開口している。その開口部分を骨盤底筋が覆い、尿道や肛門、腟の穴が開いている
【骨盤底筋はここにあります】骨盤底筋は腹横筋、多裂筋、そして横隔膜と繋がり、この4つで胴体部のインナーマッスルを筒状に構成している。深い呼吸ができていれば、連動して骨盤底筋もしなやかに動く
【骨盤底筋はここにあります】骨盤底筋は腹横筋、多裂筋、そして横隔膜と繋がり、この4つで胴体部のインナーマッスルを筒状に構成している。深い呼吸ができていれば、連動して骨盤底筋もしなやかに動く

骨盤底筋がどこにあるか見つけてみよう

岡橋優子(おかはし・ゆうこ)さん フィジカルトレーナー。女性の体に特化した、米国スポーツ医学会運動生理学士、早稲田大学スポーツ科学部非常勤講師。女性医療と提携した運動療法を開発、展開する
岡橋優子(おかはし・ゆうこ)さん フィジカルトレーナー。女性の体に特化した、米国スポーツ医学会運動生理学士、早稲田大学スポーツ科学部非常勤講師。女性医療と提携した運動療法を開発、展開する

骨盤底筋トレーニングの指導歴30年以上のフィジカルトレーナー・岡橋優子さん。鍛えるだけでなく、しなやかにほぐす大切さも伝えている。

「骨盤底筋は筋肉の中でも、関節をどこも動かさずに使う、まれな筋肉です。骨盤の底部にぶら下がっているだけなので、硬くなりやすく、劣化しやすいという特徴があります」

また、日常で使っている意識が低いので、トレーニングのターゲットにしにくいのが厄介な点。

「まずは骨盤底筋の場所、動きを実感しましょう。今回紹介する方法で場所を把握し、骨盤底筋の動きを感じてみてください。おしっこを我慢する、肛門を締める動きで、会陰部や肛門の小さな動きを感じられたらOK。お尻を固く締めないように気をつけましょう」

下記の3パターンを試してみて。

椅子に座って──両足を床について座れる、座面が平坦な椅子を用意。背筋を丸めず膝を開いて座り、利き手の指先を会陰や肛門あたりに当てる
椅子に座って──両足を床について座れる、座面が平坦な椅子を用意。背筋を丸めず膝を開いて座り、利き手の指先を会陰や肛門あたりに当てる
横になって──仰向けになり両膝を立て、足を腰幅程度に開く。両手は体側に置いて脱力。リラックスした状態で利き手の指先を会陰あたりに当てる
横になって──仰向けになり両膝を立て、足を腰幅程度に開く。両手は体側に置いて脱力。リラックスした状態で利き手の指先を会陰あたりに当てる
湯船の中で──裸の状態で、体がリラックスした湯船の中は一番わかりやすい。両膝を立てて開き、会陰あたりに利き手の指先を当てる
湯船の中で──裸の状態で、体がリラックスした湯船の中は一番わかりやすい。両膝を立てて開き、会陰あたりに利き手の指先を当てる

『クロワッサン』1162号より

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