【50代以降に増える睡眠の悩み➀】寝ても疲れが取れないのはなぜ? 「寝つきが悪い」原因と対策
イラストレーション・秋山 花 文・原 千乃
睡眠コンサルタント
睡眠を見直し体質改善に成功した自身の経験に根ざした、行動療法と空間提案による快眠法に定評がある。講演や執筆活動で快眠のヒントを発信。
寝つきが悪い原因➀[手足の冷え]
対策:手足から体の熱を逃せば眠くなる。温めて末梢血管を広げる工夫を
更年期によるエストロゲンの減少や筋肉量の低下で血流が滞り、末端にある手足が冷えやすくなる。「体の深部体温を下げることが、寝つきをよくするコツですが、手足が冷えていると上手に熱を逃がすことができません。そこでストレッチや入浴、温めグッズなどを活用することで手足を温め、効率的に血流を促す工夫を。目元を温めたり、温かい飲み物を就寝前に飲むのも有効。自律神経が整い、血流促進につながります」(友野さん)。自分に合う“温め習慣”を取り入れて。
布団の中でも末端ケアを
指先・手首まで温かく
なめらかな肌当たりの絹混素材。蒸れにくく、自分の体温を利用して就寝中の手をやさしく心地よく温め、乾燥からもガード。
快眠ソックスで“足温活”
綿とシルクで締めつけ感なく足首を効率よく温め、深部体温を下げて入眠を誘う。踵にある眠りのツボを刺激する刺繡付き。
グーパー体操で血流UP
[手]手を強く握り、手のひらを大きく開いて伸ばす。手足を同時に10回ずつ行う。
[足]仰向けに寝て、足の指をぎゅっと丸める。足首を手前に曲げ、足の指を大きく開く。
寝つきが悪い原因②[不安感]
対策:眠れないならベッドから出て過ごす。寝る前のルーティンを決めると安心
更年期世代は誰でも多かれ少なかれ、ホルモンの乱高下により気分の浮き沈みや不安感が強まりがち。ベッドの中でふと考え事を始めてしまった結果、頭が冴えて眠れなくなることも。「短時間の読書やストレッチ、呼吸法など、脳をひとまず“オフ”にする、自分なりの習慣を持つと安心です。また、照明を暖色に変える、就寝前は好きな香りのアロマを取り入れるなど、視覚や嗅覚からのリラックスもおすすめ。眠るときのマイルーティンがあれば、旅先などいつもと違う空間でも眠りやすくなります」(友野さん)
友野さんおすすめのルーティン
タイマー設定で自動で暗く
明るさと色温度を微調整できる高機能LED。ろうそくの炎のようにゆらぐ暗めの暖色も選べる。
ハーブの香りでリラックス
ラベンダーやゼラニウムなど、心安らぐ穏やかな天然香料の香りをブレンド。枕にひと吹きして、眠りのスイッチをオン。
片鼻呼吸で体の緊張をほぐす
指で片方の鼻の穴をふさぎ、もう片方の鼻でゆっくり呼吸。できるだけ長く息を吐いて。目を閉じて呼吸に意識を向け、落ち着くまで繰り返す。左右両方行う。
『クロワッサン』1149号より
広告