家そのものをパワースポットに──ギャラリオーナー・引田かおりさんの、幸い満ちる住まいの整え方
撮影・砂原 文 文・熊坂麻美
天窓からやわらかな光が差し込み、常緑樹のプリペットが窓の向こうでのびのびと枝葉をのばす。引田かおりさんの住まいは、明るく開放的で、清々しい空気に満ちている。
「自分が心地よくいられることを第一にして家を整えています。こまごましたものは扉付きの収納にしまい、玄関と水回りは毎日掃除をする。日々心がけているのは、これくらいです。『絶対にやらなきゃ』というより、気分がいいから自然と続く。そんな感覚ですね」
とはいえ、引田さん宅は棚や引き出しの中までも、余白を残しながら美しく整えられている。
「どこに何があるか一目でわかると使いやすく、ストレスがありません。それに空間に余白があると、いいものが入ってきてくれると思うんです」
スッキリした暮らしを好む一方で、心を動かされたものは迷わず迎え入れるという引田さん。家の中心に設えた「ホーリーコーナー」に並ぶ品々や窓辺のサンキャッチャーは、その象徴だ。
「小さなアイテムでも『いいな』と思うものを目にしたり触れたりするだけで、ふっと心がほどけて穏やかになれます。機嫌よく暮らしていれば、家はその声を聞いていて、きっと自分を応援してくれる。そうしてすみずみまで掃除して大切にしていれば、家が家族を守ってくれる気がするんです。間もなく引っ越して10年になりますが、毎日家が好きだなと感じています」
そんな引田さんの暮らしぶりに太鼓判を押すのは、開運ライフスタイルアドバイザーの愛新覚羅ゆうはんさん。
「きれいに片づけて、幸運が入る余白を残す意識はぜひ参考にしてほしいですね。気の通り道である床を家具やものでふさいでいない点、家を植栽で囲って邪気を軽やかにシャットアウトできている点もとても良いと思います。そして何より、自分が心から気に入っているものがちりばめられている。お気に入りに囲まれて暮らすことこそ、開運への近道ですから」
『クロワッサン』1156号より
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