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“ゴースト血管”をご存じですか?

ここ数年、話題を注目を集める“ゴースト血管”とはいったいどんな状態なのでしょうか。東洋医学に詳しい医学博士・木村容子先生に聞きました。

撮影・中島慶子 イラストレーション・小林マキ 構成&文・板倉みきこ

全身の血管をつなぎ合わせると、約10万km。このうち95〜99%を毛細血管が占める
全身の血管をつなぎ合わせると、約10万km。このうち95〜99%を毛細血管が占める

ゴースト血管とは、血管の機能低下で血液が流れなくなり、最終的には消えてなくなる可能性のある毛細血管のこと。人のいない街をゴーストタウンというように、血液の流れない血管をゴースト血管という。血管の機能低下は、加齢や活性酸素によるダメージで血管の壁細胞が緩み、血管壁から栄養分などが漏れ出してしまうことから起こる。この状態が進めば各臓器の機能は低下し、様々な病気を引き起こすと問題視されている。

毛細血管の損傷によって血管の壁細胞が緩み、血管壁から栄養分が漏れ出す。末端の毛細血管にまで血液が届かなくなり、消滅する毛細血管が出てくる
毛細血管の損傷によって血管の壁細胞が緩み、血管壁から栄養分が漏れ出す。末端の毛細血管にまで血液が届かなくなり、消滅する毛細血管が出てくる

「とはいえ、“ゴースト血管”自体は病気ではありません。血管が老化すれば、誰にでも起こりうる自然現象なんです」(医学博士・木村容子さん)

毛細血管は、全身を巡る血管の9割以上を占める中心的存在。ただ60〜70代になると、20代に比べ毛細血管の量が約4割減少するというデータもある。

「老化は避けられませんが、減っていくスピードや量には個人差があります。高齢者でも、健康な毛細血管を維持している方はたくさんいます」

その差はどこにあるのか。“ゴースト血管”を生み出す原因は、血管が弾力性を失う加齢、血流を滞らせる運動不足や冷え、栄養や酸素不足をもたらす偏食と少食、そして血流悪化の原因となる過度のストレスなど多岐にわたる。

毛細血管のゴースト化で、こんな不調が…
毛細血管のゴースト化で、こんな不調が…

「ゴースト血管にならないためには、生活全般を見直し、血液がしっかり流れる体内の環境づくりを、東洋医学の養生ですることが大切になります」

毛細血管のゴースト化で起こる、むくみや冷え、倦怠感などの不調も、東洋医学の“未病”と合致しやすい。

「季節や環境の影響、また自分自身の体質や気質をよく知った上で、不調に対処していくのが養生の基本です」

人体を構成する3要素のバランスで体調を知る──生命活動の源となるエネルギーで、「血」を全身に巡らせる役割も担う「気」。西洋医学の血液と近い概念で、全身に栄養や潤いを与える「血」。「水」は、リンパ液や汗など血液以外の体液。内臓や粘膜、関節などを潤したり、余分な水分を排出する働きがある
人体を構成する3要素のバランスで体調を知る──生命活動の源となるエネルギーで、「血」を全身に巡らせる役割も担う「気」。西洋医学の血液と近い概念で、全身に栄養や潤いを与える「血」。「水」は、リンパ液や汗など血液以外の体液。内臓や粘膜、関節などを潤したり、余分な水分を排出する働きがある

東洋医学で重視するのが、人体を構成する基本要素の「気・血・水」。この3つがバランスよく体内を巡っていれば、病気を遠ざけられるとされる。健康を維持するために自分の体質を知り、基本要素の3つのバランスの乱れに合わせた養生を行っていく。

「ゴースト血管対策では、血液と関係のある『血』の働きを整えて、血行をよくすることが大切になります。また、『血』を巡らせるには『気』の力も必要になりますので、『気』が足りないときには『気』を補い、さらに、『気』の巡りをよくすることも重要です」

  • 木村容子 さん (きむら・ようこ)

    医学博士

    医師。東京女子医科大学附属東洋医学研究所教授。日本東洋医学会認定漢方専門医。近著は『うまく老いる健康養生法』(さくら舎)。

『クロワッサン』1154号より

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