“ゴースト血管”をご存じですか?
撮影・中島慶子 イラストレーション・小林マキ 構成&文・板倉みきこ
ゴースト血管とは、血管の機能低下で血液が流れなくなり、最終的には消えてなくなる可能性のある毛細血管のこと。人のいない街をゴーストタウンというように、血液の流れない血管をゴースト血管という。血管の機能低下は、加齢や活性酸素によるダメージで血管の壁細胞が緩み、血管壁から栄養分などが漏れ出してしまうことから起こる。この状態が進めば各臓器の機能は低下し、様々な病気を引き起こすと問題視されている。
「とはいえ、“ゴースト血管”自体は病気ではありません。血管が老化すれば、誰にでも起こりうる自然現象なんです」(医学博士・木村容子さん)
毛細血管は、全身を巡る血管の9割以上を占める中心的存在。ただ60〜70代になると、20代に比べ毛細血管の量が約4割減少するというデータもある。
「老化は避けられませんが、減っていくスピードや量には個人差があります。高齢者でも、健康な毛細血管を維持している方はたくさんいます」
その差はどこにあるのか。“ゴースト血管”を生み出す原因は、血管が弾力性を失う加齢、血流を滞らせる運動不足や冷え、栄養や酸素不足をもたらす偏食と少食、そして血流悪化の原因となる過度のストレスなど多岐にわたる。
「ゴースト血管にならないためには、生活全般を見直し、血液がしっかり流れる体内の環境づくりを、東洋医学の養生ですることが大切になります」
毛細血管のゴースト化で起こる、むくみや冷え、倦怠感などの不調も、東洋医学の“未病”と合致しやすい。
「季節や環境の影響、また自分自身の体質や気質をよく知った上で、不調に対処していくのが養生の基本です」
東洋医学で重視するのが、人体を構成する基本要素の「気・血・水」。この3つがバランスよく体内を巡っていれば、病気を遠ざけられるとされる。健康を維持するために自分の体質を知り、基本要素の3つのバランスの乱れに合わせた養生を行っていく。
「ゴースト血管対策では、血液と関係のある『血』の働きを整えて、血行をよくすることが大切になります。また、『血』を巡らせるには『気』の力も必要になりますので、『気』が足りないときには『気』を補い、さらに、『気』の巡りをよくすることも重要です」
『クロワッサン』1154号より
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