進化系ビジネスホテルラバーが語り合う。あの設備、サービス……また泊まりたい一軒【前編】
イラストレーション・スケラッコ 構成&文・保手濱奈美
右・蜂谷あす美(はちや・あすみ)さん
旅の文筆家
ビジネスホテルの利用は月1回以上。旅の目的は列車に乗ること。著書に『女性のための安心鉄道旅行術』(イカロス出版)など。
中・山本浩未(やまもと・ひろみ)さん
ヘア&メイクアップアーティスト
ビジネスホテルの利用は月1回程度。旅のおもな目的は宝塚観劇や寺社巡り。ヘア&メイクの活動は女性誌、広告など多方面にわたる。
左・瀧澤信秋(たきざわ・のぶあき)さん
ホテル評論家
ビジネスホテルの利用は月10回以上。おもな目的はホテルのインスペクション。独自リストにもとづき設備などをチェック。
瀧澤 みなさんはビジネスホテルを選ぶ時、何を基準にしていますか?
蜂谷 私は駅から近いことが第一条件 ※1 です。私の旅の目的は、ホテルでのゆったりした時間ではなく街中で過ごすことにあるので、ホテルに着いたら荷物を預けてすぐに現地に向かいたい。その意味で駅近が効率的なんです。
山本 私も駅近が最優先。年齢を重ねると、重い荷物を持ってあんまり歩きたくないじゃないですか(笑)。それに、私も宝塚観劇など旅の目的が街中にある時は、ホテルは眠りに帰るくらい。だから、お手頃で快適な進化系ビジネスホテルがちょうどいいんです。
瀧澤 ビジネスホテルはもともと出張族をターゲットにしていたルーツもあり、駅に近いことが鉄則なので、お二人のニーズに適っているんでしょうね。
蜂谷 最強はJR系のビジネスホテルです。「ヴィアイン金沢」は、なんとJR金沢駅に直結しています。
山本 それは便利!
蜂谷 JR系では「JRイン函館」もおすすめ。JR函館駅に隣接というアクセスのよさはもちろん、列車のヘッドマークが飾ってあるロビーや、窓から列車を眺められるトレインビューの客室、実際の鉄道の部品を設置した〈キハ40トレインルーム〉など、鉄道ファンにはたまりません ※2 ♡
山本 私がよく泊まっていた「ホテル アンテルーム 京都」も、かなり作り込まれていましたよ。学生寮を改装したホテルなのですが、現代アートを取り入れていてロビーからおしゃれ ※3 。
瀧澤 確かに宿泊に特化しているものの、もはやビジネスホテルというイメージが似つかわしくないほどスタイリッシュですよね。
山本 京都駅から徒歩15分と少し距離はありますが、泊まって正解! 少し歩くといえば「リッチモンドホテル仙台」も、仙台駅から徒歩8分ですが、また泊まりたい一軒です。
瀧澤 ビジネスホテルはシングルルームの広さが15平米以下が多いのですが、リッチモンドホテルは18平米とシティホテルクラスの客室面積が魅力です。
山本 確かに、ゆったりしていたかも。でも、私が心を掴まれたのはリラックスエリアの充実ぶり。子どもが楽しめるように駄菓子やソフトクリームを無料でもらえるコーナー ※4 があるんです。大人もOKといううれしいサービス。
1. 駅に近いことが大事。最強は駅直結のホテル!
時間のロスなく街遊びを楽しみたい、重い荷物を持ち歩きたくない……という場合は、駅近のビジネスホテルが効率的。JR系なら駅直結もあり。
2. 鉄道ファン垂涎など、ユニークなコンセプトも
“飾り気のないシンプルな宿泊施設”という従来のイメージを覆すビジネスホテルが続々登場。「JRイン函館」は鉄道ファンの心を鷲掴みに。
3. これもビジネスホテル!? 館内にはアートが随所に
進化系はデザインにもこだわりあり。「ホテル アンテルーム 京都」には、写真家・蜷川実花さんのコンセプトルーム「No.152」などがある。
4. 駄菓子やソフトクリームを大人も子どもも楽しめる
「リッチモンドホテル仙台」には、約20種類の駄菓子が揃う〈リッチモン堂〉などの無料コーナーが。このサービスは全国でも仙台のみ。
【座談会の後編はこちら】
『クロワッサン』1148号より
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