大倉孝二さんが語る、主演舞台『最後のドン・キホーテ THE LAST REMAKE of Don Quixote』──「格好よくいたいだとかそういうの、ないですねぇ」
撮影・HAL KUZUYA スタイリング・JOE(JOE TOKYO) ヘア&メイク・山本絵里子 文・中田 花
かつてドラマ『アンナチュラル』では、人気を博した毛利刑事役を。今年春のドラマ『魔物』の今野弁護士役では、チャーミングな大人の色気が話題に。
大倉孝二さんが演じた男たちは、どこかひねくれつつも適切な優しさでヒロインに愛されてきた。世の女性たちからも“イケおじ”だと囁かれているが、「いえ……それに関してはちょっとどうかと思います」と、くすくす笑う。
「そう受け取ってもらうことに関してなんか言える立場でもないですけど。まあ変な感じですね。だって別にそんなつもりでやってないですし、そういう出でもないし、くだらないことをずっとやってきた身ですから(笑)」
身長187cm。インタビュー時に座った椅子の下、白いソックスにローファーの脚が窮屈げに折りたたまれている。
「よく目撃情報がありますよ、関係者からの。暇なとき街中をうろうろしてるんで、あの辺いましたよね?って、しょっちゅう言われます」
古いフランス映画の俳優のような飄飄とした雰囲気ですが、これからどんな格好いい50代にしたいですか?
「よく言いますね(笑)。誰かに憧れたり格好よくいたいだとか、そういうのないですねぇ。誰かが格好いいか悪いかは人が決めることで、自分から格好よさを求めるというのは一切ないです。見られているってことをできるだけ気にせずに、自分なりでいたいし。でもゴーイングマイウェイに突き詰めていくみたいな気持ちもないです」
舞台俳優としてデビュー30年、現在も劇団「ナイロン100℃」
「ただ400年も前に描かれた物語なんでね。ドン・キホーテは当時50歳。でももっとおじいさんだと思っていました。で、僕もたまたま50歳で(笑)。20代とか30代で演じることになったらまた全然違っていたと思うけど、今は明らかに老いを感じながら生きている状態なんでそこは今だからいいんじゃないか?っていうものになったらいいなと」
インドカレー好きは有名な話。
「カレーの仕事ばかりになった時期があります。いや俺なにしてる人? って(笑)。もともと南インド料理のミールスの自由なシステムが面白いと感じて、自分で作るようになってから僕のカレーを待ってくれる人がたくさんいたので、保存容器に入れて配っていたんです。最近は自分が食べたい時に作るくらいですね」
『クロワッサン』1148号より
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