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竹野内豊さんが語る、映画『雪風 YUKIKAZE』──「大事なのは日常生活をいかに生きるかだと思っています」

8月15日に主演を務める最新映画の公開を控える竹野内豊さん。作品に込めた思いとは。

撮影・小笠原真紀 ヘア&メイク・勇見勝彦(THYMON Inc.) スタイリング・下田梨来 文・望月リサ

竹野内豊(たけのうち・ゆたか)さん 俳優。1971年1月2日生まれ、東京都出身。1994年に俳優デビュー。近年の主な出演作に、ドラマ『さまよう刃』『THE DAYS』『あんぱん』など。10月には主演映画『SPIRIT WORLD』の公開も控える。『雪風 YUKIKAZE』は8月15日ロードショー。
竹野内豊(たけのうち・ゆたか)さん 俳優。1971年1月2日生まれ、東京都出身。1994年に俳優デビュー。近年の主な出演作に、ドラマ『さまよう刃』『THE DAYS』『あんぱん』など。10月には主演映画『SPIRIT WORLD』の公開も控える。『雪風 YUKIKAZE』は8月15日ロードショー。

ほんわか優しい空気を纏って現れた竹野内豊さん。物腰穏やかでゆっくりと言葉を紡ぎ、柔らかに笑う人。その竹野内さんの最新作は、太平洋戦争を経ながら、唯一終戦まで残った実在の不沈艦を描いた映画『雪風 YUKIKAZE』。

「世界が不穏な情勢にある今、悶々とした想いを抱える中で、この作品のお話をいただきました。あの時代に高い精神性を持って生きた人々の姿に触れることで、今を見つめ直し、未来に一歩踏み出すきっかけになってくれたらと思いました」

演じたのは、雪風の艦長・寺澤。史実をもとに創作された、武士道を重んじる硬派なキャラクターだ。

「当時、国を護る駆逐艦の艦長の重責は想像を絶するものだったと思います。乗組員だけでなく、大切なすべての人たちの命も背負っていたはず。その想いというものは、つねに腹の底に置いて演じていました」

竹野内豊さんが語る、映画『雪風 YUKIKAZE』──「大事なのは日常生活をいかに生きるかだと思っています」

撮影前には横須賀基地の護衛艦で実践さながらに行われた模擬戦闘を見学したり、広島県江田島の海上自衛隊幹部候補生学校を訪れたそう。

「江田島の学校では卒業式を拝見したのですが、真っ白な制服で整列する学生たちの姿を目にしたとき、これが雪風、そして寺澤艦長たちが残した未来だったんだと感じました。この平和を未来に繋げるためにも、この役をなんとしても演じきらなければと強い気持ちになりました」

ただ、どんなに下調べをして臨んでも、実際に前線で戦った人々の心持ちは想像しきれるものではない。

「共演の方々が本当に素晴らしく、みなさんに寺澤という艦長を作り上げてもらった気持ちです」

緊迫した場面も多いが、乗組員たちとの日常の場面に、素の和やかな人柄が覗くのは、竹野内さん自身の持つ柔らかい空気ゆえだろう。

「さまざまな人物を演じるうえで、経験値は必要ですが、それ以上に大事なのは、日常生活をいかに生きるかだと思っています。楽しい瞬間だけでなく嫌な想いをしたことも含めて。意味なく思える時間も、のちのち自分の表現の幅だったり深みのようなものに繋がる気がしています」

取材終わり、「話そうと考えてきたことの半分も語れなかった」と申し訳なさそうに部屋を後に。そんな真面目さも役に滲み出ている。

『クロワッサン』1147号より

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