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本格的な海外進出に向けて、期待高まるプロローグ——藤井風「Hachikō」

高橋芳朗の暮らしのプレイリスト。今回は、藤井風さんが9月5日にリリースするサードアルバム『Prema』からの先行シングル「Hachikō」。アメリカでゴールドディスク認定を受けた「死ぬのがいいわ」の世界規模での成功を考えると、本格的な海外進出への期待がいやが上にも高まります。

文・高橋芳朗

本格的な海外進出に向けて、期待高まるプロローグ——藤井風「Hachikō」

藤井風さんがサードアルバム『Prema』を9月5日にリリースすることを発表しました。前作『LOVE ALL SERVE ALL』から約3年半を経ての待望の新作です。

『Prema』の最大の焦点は、収録曲のすべてが英語詞の楽曲で構成されていること。アメリカでゴールドディスク認定を受けた「死ぬのがいいわ」の世界規模での成功を考えると、来たるニューアルバムを引っさげての本格的な海外進出への期待がいやが上にも高まります。

『Prema』におけるユニバーサルな感覚は、歌詞のみならず制作陣の人選にも強く発揮されることになりそうです。これまでにもたびたび海外のプロデューサーとのコラボを行なってきた藤井さんですが、今回の『Prema』からの先行シングル「Hachikō」では韓国の250(イオゴン)とアメリカのサー・ノーランを起用。共にワールドワイドで活躍する名うてのヒットメーカーです。

その「Hachikō」の歌詞は、もちろん忠犬ハチ公がモチーフ。藤井さんは冗談めかしてアルバムを待ち焦がれるファンとハチを重ね合わせるようなコメントを寄せていましたが、これは曲の冒頭の一節「Take you anywhere, I’m ready」(どこへでも連れていくよ、準備はできてる)などを踏まえると新展開に対する自信の表れと受け取っていいでしょう。『Prema』を通じて彼がどんな景色を見せてくれるのか、刮目して待ちたいと思います。

  • 高橋芳朗 さん (たかはし・よしあき)

    音楽ジャーナリスト

    TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』『金曜ボイスログ』などに出演中。共に番組選曲も担当。

『クロワッサン』1146号より

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