クラフトバイヤー・日野明子さんの夏の温泉旅行の旅支度──小ぶりなスーツケースと好きなものだけで身軽に
撮影・加藤新作 スタイリング・官野亜海 イラストレーション・霜田あゆ美 文・福島絵美
1. 小倉染色図案工房
手ぬぐい
タオル代わりに体を拭ける、万能な1枚
着物や暖簾など多様な型染作品を手がける〈小倉(おぐら)染色図案工房〉による手ぬぐい。「江戸の笑いをモチーフにした図柄がどれも素敵なんですが、私のお気に入りは新潟県三条市で機械式ハカリを製造する田中衡機工業所とのコラボレーションシリーズ。体を拭いた後に絞りやすいのも手ぬぐいの利点です」。
2. BAN INOUE
シンプルかや野菜袋
通気性に優れ、衣類や下着の仕分けに
古くから“風は通しても蚊は通さず”といわれる蚊帳生地で作られた野菜用保管袋。日野さん自身が監修したアイテム。「もともとは野菜袋として作ったものですが、通気性が良いので、旅の際には下着や衣類の仕分け袋として使っています。軽くて場所を取らないのも、魅力のひとつです」。
3. KEEN
ウィメンズ ユニーク
スペア用として重宝する次世代スニーカー
2本のコードで編み上げられたアッパーが自在に動き、一人ひとりの足の形状にフィット。「履き心地が良くクッション性も高いので、長時間歩いていても疲れにくいのがいいんです。形崩れが気にならないので、キャリーケースに詰める際にも安心です」。
RIMOWA
エッセンシャル ライト キャビン U
T字型のハンドルがアイコニックな小型キャリー。「できるだけコンパクトに旅をしようと選んだ1台。軽量ながらも作りはとても丈夫です。〈RIMOWA〉はリペア対応も手厚く丁寧なので、安心して長く使い続けられますね」。
仕事柄、手仕事の現場を訪ねてよく全国を旅しています。道中で楽しみなのが、各地の温泉に浸かること。お会いした作り手が近隣の良い共同浴場を教えてくれることもあり、ふらっと立ち寄ることも少なくないんです。そんな旅に欠かせないのが手ぬぐい。吸水性があってタオル代わりになるし、乾きやすいのも大助かり。特に〈小倉染色図案工房〉の田中のハカリ屋シリーズは、潔いデザインが気分を高めてくれます。靴は、履き心地のよさが気に入った〈KEEN(キーン)〉を。脱ぎ履きが楽で、サンダル感覚で履けるのもうれしくて。スペア用に持っていくことも多いです。下着類の仕分けには、蚊帳素材の野菜袋を活用。洗濯のたび柔らかく、使いやすく変化します。手提げ付きもあり、近場の温泉に出かける際にも重宝しますね。ちなみに湯上がりの贅沢はミニワインを買って部屋で飲むこと。プラカップではなく持参したマイグラスに注ぎ、ご褒美時間を堪能しています。
おすすめの夏の旅先
大分県・竹田温泉
「かつて“隠し”キリシタンの里だったとされる山奥の小さな温泉地。肌荒れやアトピーに効能があるとされる『竹田温泉花水月』の泉質がよく、日帰り入浴と街歩きを楽しんでほしいです」
『クロワッサン』1144号より
広告