【スマホ トラブル】SNS上でのよくあるトラブル──心得ておくべき7つの基礎知識
イラストレーション・伊野孝行 構成&文・長谷川未緒
トラブル1.インターネット通販を利用したら不審なメールが届きました
クレジットカード会社やインターネットサイト、宅配便会社の名を騙るメッセージは、フィッシング詐欺だと警戒して、間違いはない。
「ちょうど荷物が届くタイミングで、『不在で持ち帰りました』、カードを使ったときに『カードがお使いになれません』などのメッセージが入った場合が危ないんです。ふだんならメッセージの送信元などから怪しいと判断できても、思い当たるふしがあると、うっかり信じてしまう。リンクをクリックしたり、クレジットカード情報などを入力したりしないように! メッセージは無視して問題ありませんが、どうしても気になるなら、買い物をした公式サイトや公式アプリにアクセスし、自分のアカウントから確認を」(鈴木朋子さん)
トラブル2.SNSで交流中の男性がLINEを交換しようと言います
InstagramやFacebookなどSNSを通じて届く知らない人からのメッセージ。以前は送信者の投稿などを確認すれば、ロマンス詐欺かどうか判断しやすかったが、最近はまぎらわしく、騙される人が増えているという。
「知人は、『今度、日本に行くのだけれど、あなたが投稿している料理はどこで食べられるのですか?』とメッセージが届き、相手の投稿を確認したら旅行好きに見えたため信頼してLINEを交換したところ『日本に行く旅費がない』などとお金の無心が始まったそう。知らない人からの連絡を全て無視してはSNSのおもしろさが半減するので、やりとりするのはいいでしょう。でも、LINE等、ほかのアプリへの誘導が始まったら詐欺です。連絡を断って!」
トラブル3.親のスマホを解約するにはどうしたらいいのでしょう?
いまや80代前半でも6割以上の人が使っているスマホ。親が亡くなったり施設に入ったりして契約者本人が解約できない場合は、代理人による解約手続きが可能だ。
「原則として、契約者と代理人の本人確認書類や委任状などを揃えて店舗へ出向きます。また、電話番号を残したいときなど、家族が契約を引き継げる『承継』手続きに対応してくれる会社もあります。解約にしても承継にしても、詳細は各携帯電話会社に問い合わせを。解約がうまくいかない場合は、消費生活センターへ相談してみてください。なお、親が亡くなった場合、使用料がかかるからと急いで解約せず、ある程度落ち着いてからのほうがいいですね。親の知人と連絡を取るなど、スマホが必要な場合があるからです」
トラブル4.久しぶりに会った親が陰謀論ばかり話しています
インターネット情報に不慣れな人がSNSやYouTube等を熱心に観ることで、フェイクニュースを信じてしまうケースが増えている。陰謀論にのめり込んでしまう人も。
「フィルターバブルという言い方をしますが、インターネット上のアルゴリズムで、その人の閲覧履歴や興味に合わせ、自動で情報が選別されるようになっています。そのため『みんな言っている』と、あやしい情報も簡単に信じてしまうんです。親があまりにもかたくなだと話すのがつらいかもしれませんが、できるだけ早い段階で対話を。情報の発信元の信頼性を確認する、一次情報を調べる、ほかの情報と比べるといったことを一緒にやりながら、きちんと話せるといいですね」
トラブル5.孫の写真をSNSに載せたら娘から叱られました
孫の写真をSNSに投稿し、「かわいい」とコメントをもらうのはうれしいもの。しかしネットにアップすることで、思わぬ犯罪にまきこまれることもある。
「見知らぬ人が無断でコピーして裸や水着の写真と合成し、児童ポルノサイトに悪用される恐れも。またモザイクアプローチといって、SNSに投稿されたさまざまな情報から個人情報が特定され、誘拐などの被害に遭う危険もあります。投稿したいときは、孫の顔にモザイクをかける、後ろ姿のみにするなど、娘や息子と相談を。個人が特定されないように、ふだん使っている交通機関の名前を出さない、近所の特徴的な建物を載せない、家の近くで起きた珍しい出来事を投稿しないといった注意も必要。自分のLINEアイコンを勝手に孫にするのもNG行為ですよ!」
トラブル6.スマホを使いすぎて首と目がつらいです
頭を下げ長時間スマホを見ることで、頚椎の自然なカーブが損なわれる「ストレートネック(スマホ首)」や眼精疲労など、弊害を感じている人は多いはず。スマホに時間を使いすぎて、依存的になっている人も少なくないのでは。
「おすすめはアプリの使用時間を制限すること。iPhoneはスクリーンタイム、Androidはデジタルウェルビーイングと呼ばれる機能です。1日の使用時間を制限することで、気がついたらSNSを1時間も見ていた、といった状態から抜け出すきっかけになります」
トラブル7.アカウントを乗っ取られてしまいました
SNSのアカウントを乗っ取られると、個人情報漏洩や詐欺など、自分だけでなく友人・知人まで被害に巻き込むことになる。
「乗っ取られてしまった場合、対処法はサービスにより異なりますが、パスワードの再設定、乗っ取られたことを周囲に知らせる、サポートデスクに問い合わせるといったことが基本。ログイン時にパスワードと別の認証も行う2段階認証を有効化することで、乗っ取りを防ぎやすくなります」
『クロワッサン』1141号より
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