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プロが解説、災害用の持ち出し袋にいれるべきマストアイテム。

災害用の持ち出し袋には何が必要かを減災ファシリテーターの鈴木光さんに聞きました。いざというときに心強い備えを。

撮影・青木和義 イラストレーション・John Danon 文・熊坂麻美

マストで準備したいものはこれ。

持ち出し袋は避難所で2~3日過ごすことを想定して準備する。キャリーケースは、道路状況が悪くなる災害時には向かないため、両手があくリュックを用意する。

「身軽に移動できることが安全のために何より大切です。あれもこれもと詰め込んで重くなりすぎないように、避難所で支給される水や食料は少なめでOK。災害時は心身にかかる負担が大きいので、市販の防災セット一式をリュックに詰めるより、使い慣れたものやお気に入りを準備して。ストレスや疲労の軽減につながります」

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リュックは20L以上の容量でなるべく軽いタイプがおすすめ。肩紐や背面が体にフィットする背負いやすいものを使うこと。女性は防犯の意味合いから、赤やピンクよりユニセックスな色を選ぶことも推奨されている。

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水は避難所で支給される。最低限として500mlを2本入れておこう。これ以上持っていくと、リュックがかなり重くなってしまう。お茶やジュースより使い道の広い水が望ましい。

食料

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充分ではないが食料も避難所で支給されるため、2食分程度を準備する。少量でエネルギーチャージできる栄養補助食品がおすすめ。脱水症予防に塩分がとれる飴も準備したい。

生理用品

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使い捨てナプキンを1周期分準備する。水の使用が限られる非常時は、吸水ショーツや月経カップは不向き。生理中以外で下着を衛生的に保てるおりものシートも一緒に入れておく。

マウスウオッシュ

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感染症対策にも重要な口腔ケア。歯ブラシセットでもいいが、マウスウオッシュやデンタルフロス、歯みがきシートは水を使わずに口内を清潔にできて便利。

ライト

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避難先で夜中に停電になったときなどに便利なライト。小型のLEDライトのほかに、アウトドア用のヘッドライトや首からかけるタイプなど、両手があくものもあると理想的。

タオル

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少し大きめのタオルが1枚あると便利。体や顔を拭いたり、防寒具になったり、たためば枕代わりにもなり汎用性が高い。なるべくかさばらない薄手のものを選ぶとよい。

厚手靴下

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体育館などの避難所の床で過ごす場合は足が冷えやすい。簡易的なスリッパや厚手のしっかりした靴下を準備する。移動時にガラス片やがれきなどから足を守る役目も。

除菌アイテム

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こまめに手を洗えない状況だからこそ、除菌アイテムは欠かさず準備。ウエットシートやスプレーを使って衛生状態をキープすれば、コロナなどの感染症予防にもなる。

クールグッズ

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暑い時季は冷感タイプの汗拭きシートや扇子などのクールグッズも準備しておきたい。少量で清涼感が得られるハッカ油もおすすめ。寒い時季用にカイロなど防寒グッズも備えて。

筆記用具

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家族や友人と離れ離れになってしまったときに避難所にメモを残したり、情報や名前を記入したり、筆記具を使う場面は意外と多い。メモ帳とボールペン、油性ペンを入れておく。

着替え

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避難生活では、防犯のためにも肌の露出を控えたい。着替えは長袖、長ズボンを用意する。大判ストールは防寒や敷き具のほか、ポンチョのようにして着替え時にも使えて便利。

下着

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就寝中に災害が起きたら、寝間着のまま避難せざるを得ないことも。外や避難所をノーブラで過ごすのはストレスに。替えの分も含めてカップ付きインナーや下着を入れておく。

マスク

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限られた空間に大勢が集まる避難所では、感染症や粉じん&ホコリ対策にマスクは必須。喉の保護や冬の防寒にも役立つ。布製ではなく、使い捨ての不織布タイプを。

スマホの充電器

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ソーラー式、バッテリー式などさまざまなタイプがあるが、災害時は電池交換で繰り返し充電できる乾電池式がおすすめ。LEDライト付きのものもあるのでチェック。

ウエストポーチ

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盗難を防ぐために、財布などの貴重品はウエストポーチに入れて常に身につけておくと安心。非常時は電子マネーが使えないケースも。千円札や小銭を多めに用意しておく。

+自分に必要なものを カスタマイズして。

誰でも必要なアイテムに加え、不安やストレスを軽減するもの、健康の維持に欠かせないものなど、自分だけの必需品を準備してカスタマイズを。「海外旅行に持っていくものをイメージするとわかりやすいですよ」

メガネ

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コンタクトレンズの人はスペアのレンズを準備するより、扱いやすいメガネがよい。衝撃に強いハードタイプのケースに入れておこう。

お薬手帳

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服用中の薬がある人はお薬手帳を備えるか、スマホで撮っておくとよい。薬の種類や服用期間が示せると適切な医療が受けられる。

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毎日服用する薬は避難生活が長くなることも考えて少し多めに用意。市販の鎮痛剤や整腸剤などがあると、急な体調不良時も安心。

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慣れない避難所では、心を鎮めてくれるような本や安心できるものがお守り代わりに。小さい子どもがいる人は絵本やぬいぐるみも。

手袋

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割れたガラスやがれきなどの鋭利なものから手を守る手袋。一般的な軍手より頑丈な「防刃手袋」や革製の手袋がベター。

携帯ポーチも防災仕様に。

いつどこで災害が起こるかわからない。外出中に被災したときに役立つアイテムをポーチに入れて毎日携帯を。「家族や大事な人の電話番号を記したカードも入れておきましょう」

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ポケットトイレ

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災害発生時はあちこちにトイレ待ちの行列ができる。排泄袋や防臭袋がセットになったコンパクトな携帯トイレがあると安心。

生理用品

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被災のショックで急に生理が始まったり、災害時はナプキンが売り切れることも。生理中でないときも、ナプキンは必ず入れておく。

おりものシート

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下着の汚れを軽減するおりものシートは、下着が洗えない状況になったときに重宝する。かさばらないのでいくつか入れておきたい。

携帯電話の充電器

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災害が起きても、スマートフォンや携帯電話が使えれば何かと便利で心強い。毎日フル充電し、小型充電器の携帯も忘れずに。


  • 鈴木 光

    鈴木 光 さん (すずき・ひかり)

    一般社団法人減災ラボ代表理事

    減災ファシリテーター、工学博士。全国の自治体や学校で防災関連の講座や訓練企画を実施。地域の災害リスクを学べる「my減災マップ(R)」も考案。

『クロワッサン』1124号より

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