お墓をどうするかで母と叔母の意見が割れています【信田さよ子さんのお悩み相談室】
さまざまな人生の悩みは、どうすれば解決できる? 公認心理師でカウンセラーの信田さよ子さんに、具体策を聞いた。
撮影・イラストレーション・椎木彩子 文・長谷川未緒
お墓問題
地震で母の実家のお墓が倒れました。嫁いだ身ではあるものの、再建しようと言う母、もう自分には関係ないし、引き継ぐ人もいないのだから、これを機に墓じまいしようと言う叔母。姉妹で意見が割れている間、お墓はどうにもできず、ブルーシートがかかったままです。(40代・歯科医)
お墓の場所と思い出が大切かどうか見極めて。
ご相談者にとっては母方の祖父母が入っておられるお墓なのでしょうか。お墓への思いは人それぞれなので、ご先祖さまに語りかけるなど、遺骨が納められている以上に意味がある大切な場所だと考えている人もいれば、そうでない人もいます。
たとえば私の場合なら、実家のお墓にとても愛着がありますので、こういうことになったら絶対に再建したいと思います。ご家族にとって、お墓のある場所やお墓参りをした思い出なども含めて大事だという合意があれば、跡継ぎがいなくても再建することに意味があるのではないでしょうか。
ですが大事に思っているのはお母さまだけで、ほかの人はお墓参りも行くか行かないか、それほど愛着もないということならば、墓じまいすることになっても仕方がないでしょう。
お墓というのは残された人たちのためのものです。
ご相談者がどう考えておられるのかこの文面からではわからないのですが、ご自身の考えも伝えながら、仲間割れしないで済むように話し合われてみてください。
『クロワッサン』1123号より