雨の日は小物でおしゃれを楽しんで【大沼こずえの「ずっとの、おしゃれ」】
「雨の日を楽しむ。」をテーマに、装う楽しさを再発見します。
撮影・葛川栄蔵(hannah)
雨小物を選ぶなら、〝いかにも〟ではない物を。
こんにちは。スタイリストの大沼こずえです。
雨の日を楽しむためのおしゃれ、後編は小物。雨が降れば大体の人は傘を差すし、それがザーザー降りの大雨であれば靴や持ち物が濡れないぐらいの工夫はするでしょう。でも、雨を“楽しむ”なら、そこでもうひと工夫を。
午後から雨脚が強まるらしいからと、いわゆるザ・長靴で半日を過ごしたら、テンションは当然上がりません。一見、レインシューズっぽくないパンプスやローファーなら、ふだんどおりのスタイリングも無理なくこなせます。
バッグも然り。ビニールやパテント素材もポップでかわいいのですが、いかにも防水バッグでございますといった佇まいに、気分も引っ張られそうですよね。例えば生活撥水加工が施されたラムレザーのバッグは、革の柔らかい風合いや高級感がそのままなので、エレガントな装いにもマッチします。
降ったりやんだりの毎日に欠かせない折りたたみ傘も、間に合わせのものではつまらない。ヴィンテージスカーフのようなプリントは開いた時にパッと心が明るくなるし、斜めがけできるストラップ付きの傘袋は機能的なだけでなく、サコッシュのようなアクセントにもなります。
こうして改めて吟味してみると、雨小物はまだまだブラッシュアップの余地があるジャンルのようです。
『クロワッサン』1118号より