坐禅に殺陣、作法を学んで体と心を整える。
撮影・岩本慶三 イラストレーション・sino 構成&文・中條裕子
[坐禅]特別な空間で周囲の 人と一緒に坐る時間。
静寂に包まれながら畳半畳の空間に坐って、文殊菩薩さまが見守るお堂で過ごすのは、なかなかに得難い時間。イラストレーターsinoさんがまず感じたのは、坐禅はやはりこの空間があってこそ、という気持ちだった。
マインドフルネスに興味があったので、アプリを使って自宅で行ったこともあるのですが、全く違う。特別な空間で、周囲に人の気配があるとかえって集中できるのだなあ、と。今回は初心者の体験講座で基本的な知識や作法を知ったうえ、短い時間から試せたので無理なく坐ることができました」
駒澤大学が坐禅堂を一般開放して行うこの日曜講座は、60年を迎える。
「姿勢、呼吸、心を整えて、木の壁に向かい坐っていると、鳥の声や指導役の僧侶が背後を歩くなど、さまざまな音が耳に入ってきます。けれど、それを追いかけないようにすることが大事」
と、仏教学部教授であり指導役を務める、熊本英人さん。何も考えないを目指すより、一つのことにこだわらないよう心がける。無理のない範囲で足を組み、眠らないよう眼を開き背筋を伸ばしてひととき過ごす。日常とは異なる時間の流れを感じることができる。
駒澤大学 日曜講座・はじめての坐禅
●東京都世田谷区駒沢1・23・1 駒澤大学駒沢キャンパス
https://www.komazawa-u.ac.jp/social/lifelearning/sunday/
[殺陣]美しい姿勢や所作を身につけて鍛える。
刀剣を使ったアクションシーンである、殺陣(たて)。舞台やテレビの時代劇などで目にして、動きの美しさに思わず見惚れてしまったことがある人も多いのでは。
実は今、その殺陣の稽古に参加する女性が増えているのだという。こちらの教室では幼稚園児から60代まで幅広い年代が通うが、9割が女性。
稽古はまず摺り足などの歩き方、蹲踞といった座り方から始まるが、静かな見た目とは裏腹に、これらの所作で体幹や脚がしっかり鍛えられる。その後に続く刀の振り出しは全身運動。腕を振り上げる動作は普段なかなかないので、肩周りもほぐれてスッキリ。
無理なく楽しく体を動かして気持ちもリフレッシュでき、自然と美しい姿勢や所作が身につくというのは、確かに魅力的。
大城あゆむ 総合武道教室 東京殺陣教室
『クロワッサン』1096号より