美容を知り尽くした二人が語る、年齢に合った美容とそれぞれの信頼コスメ。
美容を知り尽くしたふたりが初の対談! お互いが信頼する化粧品について熱く語り合った。
撮影・玉置順子(t.cube/人物)、久々江 満(商品) 構成&文・今井 恵
小林照子さん、藤原美智子さんと考える、美容のチカラとは?
藤原美智子さん(以下、藤原) わあ、懐かしい! コーセーのモイスチュア エッセンス。アシスタントの頃、師匠の松永タカコ先生が使っていたんです。
小林照子さん(以下、小林) 1979年に発売したのよ。
藤原 これが照子さんが作られた、日本で最初の美容液ですか?
小林 これのひとつ前のR・Cリキッドが最初の美容液(1975年発売)。
当時は仕事と子育てが忙しくて、スキンケアの時間を短縮したい、でも効果はてきめんで! と、自分がほしくて作ったんです。
社内では大反対だったけど、発売したら大ヒット。そこから4年後にモイスチュア エッセンスを開発したの。とてもいい製品だから、コーセーを離れてからも私もずーっと買い続けて使っているんです。
藤原 私も自分が使うものは、まず肌が何を必要としているかということから考えます。
私の場合は血流を良くすること。そしてビタミンCの成分かな。次にその製品が良質であり、本物であること。
そう考えたときの基準になるのがロングセラー製品ですね。やはり長い間多くの人が支持するということは、効果実感があるからこそ。もちろん科学は日々進化しているけれど、ロングセラーは優れているからこそ、残っているんですものね。
小林 そうね。その考えはすごくわかります。私の化粧品選びは、皮膚にはすごく能力があるということが前提。皮膚の中でも顔はとくに感覚が凝縮されています。だから化粧品を肌にのせたときの感触というか、シズル感は絶対に信用ができる。そこを信用して化粧品を選ぶべきだと思っています。
藤原 本当にそうですね。よく「スキンケアって何を使ったらいいでしょうか?」って聞かれるんですが、実際に自分の肌に使って、肌に聞いてみてと伝えています。
小林 そのとおり。直感力を信じて。これ、いい匂いとか、これを塗ると肌が楽に動くようになった、というシズル感はとても大事なのよね。
藤原 女性がきれいになるためには理屈だけではなく五感も大切ですものね。もちろん年齢を重ねるにつれ、肌は変わっていくので、年齢に合ったものを選ぶということも重要。
30歳前後の頃、コクのあるリッチな化粧品を使っていたら、吹き出物ができてしまったことがあり、その時々の肌に必要なスキンケアがあるんだなと実感したことがあります。今はめちゃめちゃリッチなものが必要なんですけど(笑)。
小林 皮膚に能力はあると話しましたが、できないこともあるんです。それを助けるのが化粧品の役割。そして何より一番大事な手助けが、汚れを取るということ。そして取ったら与えることが必要で、それが潤い。
皮膚が自分で作れる潤いの質が年々落ちてきます。皮膚が分泌する潤いが少なくなれば、どんどん補給しなければいけないの。
そして皮脂と水分が混ざり合う必要があり、若い頃はそのバランスが何もしなくとも整っているから、ひと晩寝れば元に戻るし、美味しいものを食べるだけでぴたっと整う。今の私は乳液やクリームを塗らないとダメ。
藤原 私も年々補うものが増えているんですが、こればかりは仕方がないと思っています(笑)。
小林 本当に大変よね(笑)。昔、コーセーはいろいろな皮膚科のお医者さんを呼んで勉強させてくれたんだけど、ある医師が「皮膚の寿命は50歳まで。寿命を延ばすにはスキンケアしかないよ」とおっしゃって、それがずっと心に残っています。
50歳はちょうど更年期の年代。つまりあらゆる粘膜の乾きを感じる年齢。だからそこからの年代こそ、スキンケアが大事なんだなと。
藤原 昔に比べると、今は10歳ぐらい肌年齢が若返っていると思うんです。それはもちろん食べ物の力もあると思うけど、やはり化粧品の品質向上が女性の肌に貢献しているんだと思います。
小林 スキンケアは年齢に応じて、肌の個性に応じて変えていく賢さも必要ね。そういう意味も含め、とても素敵に年齢を重ねている人って、藤原さんはどなただと思う?
藤原 上皇后美智子さまが美しく年齢を重ねられているなと思います。
小林 気品というオーラを纏っていらっしゃいますね。
藤原 女性は年齢を重ねると本質が外側に出てきますものね。だからといって肌がカサカサだと、せっかく素晴らしい本質を持っていても、自分に自信が持てない。そこに自信を与えてくれるのがスキンケアだなと。
小林 外見には無頓着でも内面さえ磨いていれば美しさはにじみ出ると信じている人がいますが、にじみ出るのに百年かかる人もいるんだから(笑)。
藤原 外側からも、内側からも、両方からが必要。そしてスキンケアは自己を肯定するためにやるべきもの。
小林 自分を愛することは絶対に必要。とくに今の時季は、せっかく笑おうとしても乾燥した肌ではピリッとなる。素敵に笑うためにも柔らかい肌を作っておきましょう。化粧品はそのために寄り添ってくれる。年々化粧品のありがたみがわかってくるし、選び方もわかってくる。そこから自分だけの「信頼コスメ」も生まれてきます。
藤原 ひとつ使って「このブランドは合わない」でなく、同じブランドにいくつもシリーズがあるし、製品もある。試さないのはもったいない。
小林 そう。だってスキンケアは楽しむものよね。
藤原 ですよね!
【藤原美智子さんの信頼コスメ】
MICHIKO.LIFE スパークロイドエッセンス
「肌の巡りを重んじる私のスキンケアに、炭酸美容は必須。液だれしない濃密炭酸泡なので肌にのせやすく、短時間で血流が良くなり、顔が生き生きします」。ピタッと肌に密着する泡が、美容成分をすみずみまで届ける炭酸美容液フォーム。天然由来の希少なオイルも配合。
ボーテ ド ラ・ドンナ CAAローション
「4種のビタミンC誘導体配合のこのローションは、毎日、たっぷり使います。手のひらに広げて肌全体になじませ、乾いているなと思ったら重ねづけもできます」。肌が飲み干すように浸透する、4種のビタミンC誘導体をバランスよく処方し、リンゴ幹細胞エキスも配合。
エスティ ローダー アドバンス ナイト リペア SMR コンプレックス
「まさに信頼できるロングセラー美容液。塗っていると潤いに満ちた肌でいられます」。1982年に誕生以来、肌のサーカディアンリズムに着目し、進化し続けている美容液。素早く肌になじみ、乾燥やキメの乱れによるくすみなどを改善し、ふっくらツヤのある肌に整える。
オバジC25セラム NEO
「私にとって最強のビタミンC。これを使っていれば、あらゆる老化悩みから守ってもらっている安心感」。オバジシリーズ中、アスコルビン酸(ビタミンC)を最も配合。年齢でたるみがちな毛穴、肌のくすみをはじめ、肌に潤いを与えながら、明るさをもたらすスポイトタイプの美容液。
コスメデコルテ AQ ミリオリティ インテンシブクリーム n
「ここぞ!という前日に使っています。しっとり潤いに満ちた肌になるし、肌全体が底上げされる感じ」。30種類の厳選された美容成分が異なる3種のデリバリーカプセルで肌のすみずみへ。クリームが時間とともに肌と一体化して保護膜のように変化し、ツヤとハリを与える。
【小林照子さんの信頼コスメ】
モイスチュア エッセンスF・F
「大大ロングセラーの美容液。コーセーを退社後も、ずっと自分で買って使っています。とにかく肌の調子が上がります」。1979年に誕生。肌を構成するNMF(天然保湿因子)とアミノ酸などを配合し、肌本来の保湿機能を高めるので、次に使う製品のなじみを高める働きも。
ニリヤ マッサージクリーム
「これでマッサージしてホットタオルでふき取ると、肌がもっちりしてメイクのノリも良くなるから、うちのメイクアップアーティストがみな使っています」。まろやかな感触で毛穴奥の汚れや皮脂を取り除き、マッサージ効果で血流もアップ。ラベンダーの香りも心地よい。
DEW(デュウ) アフターグロウドロップ
「新製品なんだけど、使ってみたところ、キャッチコピーどおりとろみにハマっちゃって、一本あっという間に使い切ってしまいました。本当に肌が潤います」。ヒアルロン酸の研究によって生まれたセラム化粧液。肌をひたひたに潤いで満たし、もっちりと仕上げる。
アルビオン エクシア ラディアンスリニュー エクストラリッチミルク
「皮脂膜の代わりになる乳液はとても好きなアイテム。アルビオンの乳液を導入剤のように使う考えもとても好きです」。脂肪幹細胞の創傷治癒の働きに着目し生まれたシリーズ。濃厚でコクのある乳液は洗顔後の肌に使うことで、次に使うアイテムの浸透を助ける役割を担う。
綾花(あやか) 潤肌実(うるはだみ)クリーム
「誕生したばかりのブランドですが、とても正直で良心的な製品づくりをしています。油分と水分のバランスが良く、肌に寄り添う感があって愛用中」。スキンケアの原点である"保湿"に着目し、年齢を重ねた肌に負担なく水分と油分をたっぷり届ける設計。肌にやさしく、しっかり保湿する。
『クロワッサン』1082号より
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