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骨折だけじゃない骨密度の低下リスクいろいろ。たるみなど見た目年齢も左右する!?

骨密度の低下が引き起こすのは骨折だけではありません。
認知症や寝たきり、免疫力低下を防ぐためにも骨の健康維持を!

文・吉田真帆 イラストレーション・松元まり子

【骨がもろくなるとこんなリスクが ! 】骨のスカスカが招く老化と衰え4つの危機。

骨がもろくなると骨折や背中が丸くなることなどが一番の心配ごと。特に骨折は運動能力が落ち、寝たきりにつながるなど大きな問題です。

骨力が低下して動くことがおっくうになると、引きこもり、運動不足、食欲不振といった負の連鎖に陥りがち。

さらに、骨の代謝に伴って分泌されるオステオカルシンという物質には、生活習慣病を予防する働きがあります。骨力ダウンが生活習慣病の悪化につながることも。骨細胞の働きが衰えると免疫力が落ちることもわかっています。

<骨折>

骨折だけじゃない骨密度の低下リスクいろいろ。たるみなど見た目年齢も左右する!?

骨密度が低下すると骨がもろくなるので、まず骨折の可能性が高くなる。転倒などで手足を骨折しやすくなるだけでなく、背骨の圧迫骨折(いつの間にか骨折)、足の付け根の骨折による寝たきりなど、たくさんのマイナス要因に。

<認知症や寝たきり>

骨折だけじゃない骨密度の低下リスクいろいろ。たるみなど見た目年齢も左右する!?

手足の骨折、背骨の圧迫骨折、足の付け根の骨折など、いずれの骨折でも著しく運動能力が落ちる。骨折などで引きこもりがちになったり、寝たきりになると、それが引き金になってボケや認知症になりやすいことが報告されている。

<背中が丸くなる>

骨折だけじゃない骨密度の低下リスクいろいろ。たるみなど見た目年齢も左右する!?

年をとると背中が丸くなるのは仕方がないと思われがちだが、極端に背中が丸くなっているのは、背骨の圧迫骨折(いつの間にか骨折)によることが多い。背中が丸くなると歩行が困難になるだけでなく、いかにも年寄りっぽく見えるのもデメリット。

<免疫力の低下>

骨折だけじゃない骨密度の低下リスクいろいろ。たるみなど見た目年齢も左右する!?

骨密度が下がり、骨細胞が働かなくなると免疫の要となる白血球の数が減るというデータがある。骨細胞は免疫システムに関わっているということもわかってきている。また、脂肪の代謝や肝機能にも関係があり、肥満や生活習慣病、老化の原因にも。

【見た目年齢を左右する骨!】まぶたのたるみやほうれい線も骨のせい。

骨密度が下がると骨は縮小して細く小さくなります。これは手足や背中の骨に限りません。実は顔の骨も例外ではないのです。

顔の骨が小さくなると、覆っている筋肉や皮膚が余ってしまいます。これがたるみやシワの原因に。いくらお肌の手入れをしていても、土台である骨が縮めば皮膚や脂肪、筋肉は重力によって垂れてきます。これが目の下のたるみ、ほうれい線などの原因です。

最近の研究では、特に下あごの骨が縮小しやすいことがわかってきました。高齢の方の口の周りに放射状のシワを描いた絵を見たことがありますか? これは、まさにあごの骨が縮んで起こる皮膚の老化です。

さらに、骨が縮小すると、眼窩(がんか/目のくぼみ)は広がります。年をとると誰もが目が落ちくぼんできたり、下まぶたがたるみます。

<顔のシワやたるみは顔面骨の縮みかも!>

●若い頃

骨折だけじゃない骨密度の低下リスクいろいろ。たるみなど見た目年齢も左右する!?

●加齢によって……

骨折だけじゃない骨密度の低下リスクいろいろ。たるみなど見た目年齢も左右する!?
  • 太田博明

    お話を伺ったのは

    太田博明 さん (おおた・ひろあき)

    婦人科医

    山王メディカルセンター 女性医療センター医師。日本抗加齢学会監事、日本骨粗鬆症学会元理事長、日本女性医学学会元理事・監事。専門は女性医療、骨粗鬆症、アンチエイジング医学。近著に『筋肉は若返る! ―尿もれ・骨折・フレイルは防げる! 治せる!』(さくら舎)。

『Dr.クロワッサン 何歳からでも骨は強くなる』(2020年3月28日発行)より。※プロフィールは掲載時点の情報です。

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